いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

2012-01-01から1年間の記事一覧

オレの2012年シネマランキング

今年は187本の映画を観ました。そのうち56本を劇場での鑑賞し、さらにその中で日本初公開の作品にしぼると53本。 2012年の最後をかざる今日は、その53作品で独断と偏見と好みによる年間ランキングを作ってみました。 カウントダウン方式で53位から。順位と…

『ビブリア古書堂の事件手帖』や『謎解きはディナーのあとで』がウケる理由

前々回の記事で紹介した田端信太郎『MEDIA MAKAERS』。紹介したとおり、まだまだいろいろ使えるところがある。 その中でも特に、コンテンツにおけるリニア/ノンリニアという二元論は、ここ最近考えていたこととすごくつながる。 リニアとは「線上」という意…

朝日新聞の投書に"団塊文体"を嗅ぎ取る

朝日新聞に寄せられた投書が話題になっている。 朝日新聞 投書 【どうかんがえたら 新幹線の三景】無職 男性 63歳 暮れの新幹線。相当の混雑なので指定車両に移ってみた。ここも満席だったが、 ふと見ると、座席に小さなバスケットが置いてあり中に小犬。隣…

【書評】2010年代の“ウェブ進化論“〜田端信太郎『MEDIA MAKERS』〜9/10点

年の瀬ということでそろそろ書評に帰ってこないと映画ブログになってしまう! ということで書評。MEDIA MAKERS―社会が動く「影響力」の正体作者: 田端信太郎出版社/メーカー: 宣伝会議発売日: 2012/11/12メディア: 単行本(ソフトカバー)購入: 9人 クリック…

性夜を独りですごすおまいらを全力でなぐさめてみた

もうすぐ、日本人が同時多発的に最も多くのセックスを繰り広げると言われている「性の6時間」が始まる。それを前に、そんな日本最大の祭典に参加できない! という諸兄姉が憤死しないように全力でなぐさめてみたい。 この「性の6時間」を満喫できない諸兄姉…

アメリカにとって銃は消毒薬みたいなものなのかもしれない

コネティカット州の小学校で起きた銃乱射事件を機に、アメリカで銃規制論争がまた熱を帯びている。児童ら26名がなくなったこの惨劇の後でオバマ大統領は、「再発防止に向けて意味のある行動を取る」と表明した。すかさずこれに、全米ライフル協会(NRA)が牽…

山内マリコ『ここは退屈迎えに来て』★★★★★★★☆☆☆

先月のUSTでとり上げた本だけれどあらためて。 内容(「BOOK」データベースより) 地方都市に生まれた女の子たちが、ため息と希望を落とした8つの物語。フレッシュな感性と技が冴えわたるデビュー作は、「R‐18文学賞」読者賞受賞作「十六歳はセックスの齢」…

自民党の大勝であらためて実感する民主主義の利点

選挙が終わりました。結果は、自民党の単独での絶対安定多数を獲得するという歴史的な大勝。小選挙区制という制度の性質上、極端な結果が出やすいということはしかたないにせよ、これは凄まじい結果です。安倍さんは厳しい表情でしたね。首相返り咲きがほぼ…

ピーター・ジャクソン『ホビット 思いがけない冒険』70点

イギリス人作家トールキンの『ホビットの冒険』を原作に、『ロード オブ ザ リング』のピーター・ジャクソンがメガホンを撮った3時間のファンタジー超大作。 『ロード〜』との関係で考えれば、前日譚が描かれ世界観がリンクしているこの映画は、近頃流行の「…

ペニーオークションとタレント達が毀損したブログの価値

ペニーオークションが盛り上がっている。1,2年前に一度話題になっていたためネット民からすれば「何をいまさら」なのかもしれないけれど、ペニーオークションサイトの運営者が詐欺の容疑で今月逮捕されてから一気に状況が動き、ステマ記事を挙げていた芸能人…

アーティストは「言葉」を残すために生きてるんじゃない

普段ぼくは、ブログで特定の人の批判をしたりはしない。ネガティブな長文を書くのも精神衛生上よくなさそうだし、気に食わない相手に時間を割く事自体がどこかバカバカしいと思えてしまう。それになにより、相手がネットで生計を立てている場合、批判記事を…

非常に"日本的な"自民の憲法改正案

自民党の憲法改正案の話題が未だに尾を引いています。ぼくのTwitterやFacebookでも、ふだん政治的な話題を持ち出さない人まで巻き込んでいることが、その注目度の高さを物語っています。ざっくりおさらいしておきますと、自民の改正案で「公共の福祉」が「公…

ナマポ感覚で人権を語る片山さつきが斬新すぎてワロタ

自民党の憲法改正草案が議論を呼んでいます。人権がなくなるだの徴兵制の前触れだの、いろいろな憶測を呼んでいます。 争点となっているのは、現行憲法における「公共の福祉」が「公益及び公の秩序」という文言に置き換わっているということです。 自民党が…

アニメは1人でも作れるし、1人では作れない ――東浩紀『コンテンツの思想』★★★★★★★★☆☆

本書は、思想家であり最近では『思想地図』シリーズで知られる東浩紀が複数の評論家、クリエイターらとかさねた対談、鼎談を収録している。巻末には人名索引と作品名索引があり便利だ。コンテンツの思想―マンガ・アニメ・ライトノベル作者: 東浩紀,伊藤 剛,…

出生前診断そのものが1つの"決断"

数日前から気になっていたまとめスレ。出生前診断でダウン症発覚したんだけど : あとろぐ速報 奥さんの身ごもった胎児に、出生前診断でダウン症の可能性(「8割強」)が発覚したという旦那さんを名乗る人が立てたスレで、どうすればいいかということで喧々諤…

ちょー気持ち悪いんですけどmixi

「mixi『だけ』でつながる素敵な一夜を」――SNS「mixi」の思い出を振り返り、ユーザー同士で交流するイベント「mixi同窓会」が12月27日、東京・渋谷のミクシィ本社内で開かれる。 (後略) 「mixiって、僕らの青春でした」――「mixi同窓会」、非公式でもミクシ…

「お約束破り」の集大成〜『007 スカイフォール』(原題: Skyfall)90点〜

007シリーズ50周年を飾る23作目「スカイフォール」。ダニエル・クレイグ版ボンドの三作目に当たる今作は、度肝を抜かれるようなすさまじい追跡劇で幕を開ける。追跡劇といえば、先代ピアース・ブロスナンからバトンタッチされたクレイグ版1作「カジノロワイ…

クリント・イーストウッド『人生の特等席』60点

盟友ロバート・ロレンツの作品のために、一度は引退した“俳優クリント・イーストウッド"が復帰――これだけで観たくなる映画『人生の特等席』は、メジャーリーグの老スカウトとその娘の和解をめぐるドラマだ。ひさびさの映画出演、しかも主演ということでその…

速水健朗『都市と消費とディズニーの夢――ショッピングモーライゼーションの時代』★★★★★★★★☆☆

速水健朗の新著『都市と消費とディズニーの夢――ショッピングモーライゼーションの時代』は、近年起こっている都市のショッピングモール化=ショッピングモーライゼーションについて論じている。都市と消費とディズニーの夢 ショッピングモーライゼーションの…

民主vs.ニコ動にみる双方向時代の「メディア」とは

選挙前に予想外の場外乱闘が勃発。 民主党の安住幹事長代行が、党首討論をぜひうちでと呼びかけたニコ動に対し「双方向と言いながら極めて偏った動画サイトに投稿を許すようなやり方は、逆に、これまでの良き伝統の党首討論を崩すと思う」と鮮やかに中指をつ…

行って帰ってくる物語。それだけなのに、面白い。〜ベン・アフレック『アルゴ』90点〜

多くのレビュアーが絶賛しているようにめちゃくちゃ面白い映画です。勝ち戦です。こんなブログ読んでる暇あったらさっさと劇場に駆け付けちゃってください。 アメリカがイランの現行政権の敵である元国王をかくまったことに、イスラム過激派が激怒。人質52…

デートで観るのにお勧めの映画です♪〜三池崇史『悪の教典』80点〜

予告編で何度か見かけた人は、なんとなくどういう映画になるかはわかるんじゃないだろうか? 生徒から慕われていた熱血教師が、ある日突然スクールシューターに変貌して教え子たちを狩りはじめる。一言でいえばそんな内容。 カメオ出演で原作者が彼に直々に…

減税日本とぼくの思ひ出

凄いですね、石原さん。 結党した党をわずか4日で解党しちゃいました。いくら冬の日照時間が短いといっても、この太陽は沈むの早すぎます。 おそらく、他党との合流は既定路線だった。そう考えると党名からしてテキトーだったのは、最初から「捨てアカ」だっ…

「アイドルは恋愛しちゃダメ」というより「恋愛したい子はアイドルになっちゃダメ」のような気がする

タイトルで言い尽くした感ありますが。 そりゃ人間ですから、生で中田氏しちゃダメとか、妊娠中絶しちゃいけませんとはいいません。 母体の健康や妊娠しにくくなるリスクを考えるとそりゃなるだけやめといた方がいいけど、最悪しかたありません。若気の至り…

ぜんぶ『ヒーローショー』が悪いんだ! 〜井筒和幸『黄金を抱いて翔べ』55点〜

高村薫のデビュー作を、『岸和田少年愚連隊』『ヒーローショー』などでもおなじみの井筒和幸が撮った映画。 結論からいうと、終始段取りくさい。まるで原作によって予め決められていたポイントを、a点→b点→c点→…という具合に井筒さんがなぞっているだけのよ…

もしもFacebookユーザーがデスノートを拾ったら……

ミミズが光速に見えるほどの鈍重さでデスノートを読みおえた。 それは一つ前に書いた。 デスノートの基本的なルールをおさらいすると、 1、人の名前を書いたらその人が死ぬ 2、頭に顔が思い浮かぶ人でないとダメ。あてずっぽで「田中太郎」と書いても、見ず…

「秀才とは何か」をデスノートを読み終え考えてみる

光の遅さでデスノートを読んだ。 はじめはイノセントな正義を断行していた主人公夜神月(と書いてライトと読ますDQNネームの走り)が、次第に醜く歪んでいく悲劇的な過程(それはもう顔の表情筋にこれでもかと顕著にあらわれてく)は、ピカレスクロマンの王…

灰色の街ロンドンで暗躍する老スパイ〜『裏切りのサーカス』85点〜

おとといの『ジェーン・エア』につづいて観たのが『裏切りのサーカス』。 時代は東西冷戦の最中、英国諜報部、通称「サーカス」に、ソ連側のスパイ「もぐら」が20年来息をひそめて潜伏している疑惑が浮上する。前年のある作戦の失敗の責任をとる形で辞職した…

女心をグラつかせる技をマイケル・ファスベンダーから学んだ〜『ジェーン・エア』75点〜

目黒シネマにて鑑賞。 19世紀の作家シャーロット・ブロンテが、カラー・ベルという変名で書いた同名小説の、2011年の映画化。元々このあとで書く『裏切りのサーカス』が目当てで行って、2本見れるからついでに観ておくかというバリバリやっつけの感じで見た…

フルボッコになった真紀子大臣から学ぶべきこと

文科相の田中真紀子が、来春開校を予定していた3大学の新設を不認可したことで絶賛炎上中だ。おまけに、その炎上を受けて昨日の会見で「もう1度審査する」と明らかにヒヨってしまったもんだから、つい最近目にした真紀子氏が気分屋すぎて官僚が困っていると…