いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

2024-01-01から1年間の記事一覧

「問題ありな映画バカ」を放置してきた映画界への反省を込めて/『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』

今年2024年最後に紹介したいのは、今週末から公開している『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』だ。 カナダに住むローレンスは、映画監督になりたい映画大好き、というより映画しか取り柄がない(しばしば映画好きと映画しか取り柄がないは≒で結びつ…

『東京上空いらっしゃいませ』牧瀬里穂をめぐる奇妙な偶然 「クリスマス・エキスプレス」の呪縛

相米慎二監督の『お引越し』、『夏の庭 The Friends』の2作が4Kリマスター版として公開されるのを記念して、現在、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で『東京上空いらっしゃいませ』が上映されている。 何年ぶりかに観たが、何度観ても名作は名作だというのを思…

プロレスの「ブック/ブック破り」 あるいはなぜお笑い芸人にプオタが多いのかについて

今年最大級のヒット作、Netflixシリーズの『極悪女王』。この作品が流行った際、その盛り上がりが加速すればするほど、同時に、従来のプロレスファンから、劇中で使われる「ブック」「ブック破り」という言葉に対する疑義が挟まれ、少し物議を醸していた。 …

そろそろぼくらは『速報!歌の大辞テン』の文化的意義を評価するときではないか

よく会社のおじさんやおばさんなど、年配の人に古い歌謡曲の話題をされると、意外とこっちがついていけることに「こんな歌よく知ってるね!」「生まれる前でしょ?」などと驚かれることがある。 しかし、これは別に何もぼくが特に(最近流行りの)昭和好きで…

「娼婦」と「妻」は分かり合えるのか?/映画『午後3時の女たち』

www.youtube.com 「昼は淑女、夜は娼婦」という言葉がある。普段は貞淑に見えるけど、夜ベッドの上では乱れる女性が理想的という、男都合の少々アレな言葉だ。 しかし元来、家父長制がこの淑女と娼婦の両者を、昼と夜ではなく、内側に淑女=妻や娘を囲い込み…

あえて“語らないという方法で名指しで批判する”のは誰か/映画『助産師たちの夜が明ける』

監督:レア・フェネール 出演:エロイーズ・ジャンジョー/ミリエム・アケディウ 原題:Sages-femmes 英題:MIDWIVES 日本版字幕:松岡葉子 医学用語字幕翻訳協力:田辺けい子 宣伝デザイン:日用 宣伝広報:スリーピン 原田徹 Webデザイン:竹内健太郎 www.y…