いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

2012-10-01から1ヶ月間の記事一覧

ゲームの歴史とは「物語の扱い方」だった!?〜さやわか『僕たちのゲーム史』★★★★★★★★☆☆〜

最近、親会社にあたる講談社の現代新書を圧倒する勢いで躍進する星海社新書から出た一冊。「物語評論家」という不思議な肩書きをもつさわ……さやわかさんという方が著したゲームの歴史の本だ。「物語評論家」というのも不思議な肩書きだが、なによりも「物語…

古谷実のマンガ『サルチネス』のモチーフは北九州監禁殺人か?

古谷実の2年ぶりの最新作。サルチネス(1) (ヤンマガKCスペシャル)作者: 古谷実出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/09/06メディア: コミック購入: 3人 クリック: 117回この商品を含むブログ (16件) を見るネットなどで評判を読むと「またいつもの古谷かよ〜…

『ブライズメイズ』を観て結婚披露宴なんてするもんじゃないと改めて思った

目黒シネマにて鑑賞。 30代独身アニー。開業した手作りケーキのお店はつぶれ、恋人にも逃げられ、どっちを向いてもお先真っ暗な彼女にとって親友リリアンだけが心の拠りどころ。しかしそのリリアンがついに婚約、アニーは「ブライズメイドのまとめ役」を頼ま…

グラビアアイドル界の『プロジェクトX』〜『グラビアアイドル「幻想」論』書評〜★★★★★★★☆☆☆

グラビアアイドル「幻想」論 その栄光と衰退の歴史 (双葉新書)作者: 織田祐二出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/04/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る本書は長年シーンを追いかけてきた著者が、グラビアアイドル…

「スタバ女」をdisった小説

昨今、回転率ワルくするわ電源がありゃ使いたいだけ使うわそのわりに自分のことをイケてるビジネスマンだと勘違いしてる人たちの総称=ノマド叩きが絶賛盛り上がり中なんだが。 ノマドが叩かれるたびにあたかも共犯みたいにやり玉に上げられてかわいそうなの…

文化系のノーベル賞って、いるか?

今年のノーベル文学賞が発表され、中国の莫言という作家が受賞した。化学賞の山中伸弥京大教授に続き、日本では村上春樹の受賞に期待が集まったが、毎年恒例のノーベル詐欺にひっかかりやれやれ。ところでぼくは、以前からノーベル賞の文化系部門、とくに文…

「暗躍する」のが大好きな人にはオススメ 〜北野武『アウトレイジ ビヨンド』75点〜

前作と同様に終始、強面の男たちの怒号が飛び交うのだが、この映画の「感染力」(『死亡遊戯』を観たあとにブルース・リーのマネをしないではおれないような衝動)はやっぱり強く、男二人で劇場に入ったのだけど、見終わって出てくるときには山王会の構成員…

寡黙なのもいいけどちょっとは説明してよねっ!(プンスカ 〜『ヴァルハラ・ライジング』65点〜

『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフィンが一つ前に撮った作品。 北欧の神話をベースにした男臭い映画だ。『ドライヴ』の世界観も男臭いといえば男臭いが、人妻とのせつないロマンスがあっただけにまだ女子成分がある方だ。本作で女性は登場人物と…

悪くはない。けど物足りないのは 〜内田けんじ『鍵泥棒のメソッド』55点〜

笑えるところが少なかったからじゃないかなーと。 (※以下、赤字はネタバレなので、読みたくない人は読み飛ばし推奨)いや、そういう映画じゃないよという話かもしれないが、殺し屋が売れない俳優と入れ替わって……というストーリーだったり、コメディタッチ…

キミは「仕方なく観た映画」が予想外にめちゃくちゃ面白かった経験があるか?〜『アイアン・スカイ』95点〜

新宿武蔵野館で鑑賞。 本当は評判のいい西川美和の『夢売るふたり』か、ジェレミー・レナーきゅんの新作『ボーン・レガシー』が目当てだったんだけど、電車の中で上映スケジュールをしらみつぶしに探しても都合のつく時間帯がなく、映画の日だし引くに引けな…