映画
映画館で配られていたポスター。観終わった後に見ると多面的な意味が浮かび上がってくるいいアートワーク 観終わって、まだ観ていない人に説明しようとするときになって、気づく。あれ? あの映画は何を描いたんだろう? ヤマもオチもなかった…と。でも、そ…
年末恒例の年間映画ランキングのお時間です。 今年は劇場、配信含めて561本を鑑賞。前年比でなんと107本も減少してしまいましたが、これは映画への情熱が冷めたわけでも、仕事への情熱が突然湧いてきたためでもござません。スプラトゥーンと麻雀のせいです。…
『ハケンアニメ!』という映画を観た。 派遣社員のアニメではない。そのクールのアニメ界隈の話題をかっさらう(=覇権をにぎる)アニメをめざして作る者たちの映画だ。 吉岡里帆が演じる主人公は、アニメ制作会社・トウケン動画の伝統ある放送枠、夕方5時台…
ウルトラマンTシャツと蒲田くんのスマホスタンド(重宝してます) 大ヒット中の『シン・ウルトラマン』。個人的には、チープな昭和特撮の雰囲気や、ゼットンの斬新な解釈、メフィラス山本耕史など好きな部分もたくさんある作品で、近年の商業的に成功した邦…
この世界のどこかに、自分の対になる“運命の人”がいるはず――そう考えるのが恋愛における運命論だが、Netflixで配信が始まったイタリア・ポルトガル製作の映画『恋をするなら今宵のディナーで』は、そんな運命論に過度に期待しすぎている人に届いてほしいよう…
恒例の年間映画ランキングのお時間です。 今年は668本鑑賞し、日本公開、配信は198本でした。 198本の中からランキングを決めます。もう10本では収まりきらんということで、すでに邦画、洋画、配信に決めました。 タイトルにあるとおり、数本、「これは入れ…
今年2021年は、東京の井の頭線沿線や中央線沿線の下北沢や明大前、高円寺といった若者に人気のエリアが印象的な役割を果たす邦画が多く誕生した。そんな今日、大晦日に名実ともに今年を締め括る形で公開される映画が『明け方の若者たち』だ。 www.youtube.co…
(C)_FamilyAmbulanceFilmLLC_Luke_Lorentzen 世界は広い。まだまだ知らないことがたくさんある。ドキュメンタリー映画を観る醍醐味は、自分の全く知らない時間・場所に連れて行ってくれるところにある。『ミッドナイト・ファミリー』もそんなドキュメンタ…
今年の大傑作の1本といえばエドガー・ライト監督の『ラストナイト・イン・ソーホー』だ。映画とその歴史に対して常に批評的な姿勢をとり続けるライト監督であるからして、もちろん本作にもさまざまな過去作の引用、パロディが隠されているが、それらとは別に…
自分があまり詳しくないジャンルにおいて“未知のもの”を観たとき、人は二通りの反応をする。「こんなの○○じゃない」と拒絶するか、「こんな○○初めてだ」と驚くかだ。 もう来週に迫った今年の『M-1グランプリ』だが、昨年のマヂカルラブリー優勝の際、彼らの…
www.youtube.com 3人の女子高生(?)が、どこかの南国の浜辺にバカンスにでかけた様子を淡々と描く映画『ひと夏の体験』は、一見すると終盤までほとんど何も起きない、つまらない映画に思える。非日常的な場所を訪れ、開放的になったうら若き乙女たちが、乳…
MCUにおいてトム・ホランドが演じるピーター・パーカーといえば、スパイダーマンとして日夜NYの平和を守るヒーローでありながら、素顔に戻れば奥手な高校生。蜘蛛男としては事件現場までひとっ飛びなのに、自分の恋路は牛歩牛歩でなかなか前に進まないことが…
『邦キチ!映子さん』の池ちゃんというキャラクター ウェブ漫画『邦キチ!映子さん』の最新話に出てくる“池ちゃん”というキャラクターが話題になっている。 comip.jp 冒頭からカフェ(ファミレス?)で知人女性を相手に雑談しているのだが、「ネトフリはオリ…
www.youtube.com 今日から公開の映画『アンテベラム』は、ホラー映画シーンを新たな段階に引き上げたジョーダン・ピール監督の『ゲット・アウト』『アス』のプロデューサー、ショーン・マッキトリックが製作したスリラーだ。 まだ観ていない人に対して、非常…
今日から公開された“ゾンビ映画の父”ジョージ・A・ロメロが監督した『アミューズメント・パーク』は、長らく封印されてきた作品だ。 youtu.be 本作は、もともとは年齢差別や高齢者虐待について世間の認識を高めるために、ルーテル教会がロメロに依頼した企画…
今さら感がすぎるのだが、先日、『映画クレヨンしんちゃん 謎メキ!花の天カス学園』を観てきた。 延期されていた劇場公開が7月30日からで、10月のこの時期にまだ上映されているということが物語っているとおり、名作だった。 全寮制のエリート校「私立天下…
世界で一番ゴッホを描いた男(字幕版) チャオ・シャオヨン Amazon 本作は、中国の深圳市近郊の「大芬(ダーフェン)油画村」という、複製画が世界的な産業になっている地が舞台。世界中からのオファーを受けて、画工と呼ばれる職人たちが、世界の名画をせっせ…
最近、下記のような騒動があった。 www.nikkansports.com この作家先生、ツイッターでフォローしていないのだが、毎日毎日誰かがリツイートやいいね!を押すもんだから、たびたび流れてくる。医師らしく内容は感染症に関しての専門的な知見であることも少な…
子宮に沈める 伊澤恵美子 Amazon 2010年に大阪2児餓死事件という痛ましい事件が起きた。 大阪市のシングルマザーが、自宅マンションに3歳長女と1歳長男の2人を2ヵ月弱にわたり放置し、餓死させた事件だ。 本作『子宮に沈める』はこの事件を元にしているが、…
オリンピックというと、その結果にばかり注目が行きがちだ。メダリストかどうかは大違いで、金か銀か銅かでも人生が変わってくる。「参加することに意義がある」という建前はどこへやら。今やほとんどの人はその「結果」にだけ注目してしまっている。 しかし…
細田守監督の最新作『竜とそばかすの姫』を観てきた。 インターネット上の仮想空間<U>(ユー)で人々が自分の分身<As>(アズ)を操れるようになった世界を舞台で、“歌姫”Belleとして才能が開花させた田舎の女子高生・鈴。現実と<U>のギャップに戸惑い…
www.youtube.com シラフの女に何もできない惨めな男たち キャリー・マリガンが演じるのは、30歳のコーヒーショップ店員、キャシー。彼女はバーでぐでんぐでんになるまで酔い潰れ、案の定、鼻の下を伸ばした男が「介抱」の名目で近づいてくる。男が狙いどおり…
いろんな意味で盛り上がっているのか盛り上がっていないのか分からない、『100日間生きたワニ』を観てきた。 www.youtube.com 言わずと知れた『100日後に死ぬワニ』(以下『100ワニ』)を原作とする劇場アニメで、公開される前からネット上では嵐レビューや…
フィクションでは空腹、喉の乾きといった「渇望」の表現は、今まで無数に描かれてきた。しかし、空腹や喉の乾きと同じぐらいぼくらの身の回りにあるにも関わらず、あまり深くは描かれてこなかった「渇望」のジャンルがある。それは「眠り」である。 本作『AW…
2016年の大統領選において、ヒラリーが“差別主義者”トランプに敗れたのは、アメリカのリベラル派にとってトラウマ的な事象だと思われるのだが、ネットフリックスで配信中のミュージカル映画『ザ・プロム』はその視点もきちんと取り入れているところが関心さ…
Netflix、Amazonプライム・ビデオのオリジナルもしくは独占配信作品19作をまとめてみた。 Netflix→【NF】 アマプラ→【AP】 ★印が評者のおすすめ度 太字が主要5部門 【あわせて読みたい】 【NF】シカゴ7裁判 ★★★★★ www.netflix.com 作品賞脚本賞助演男優賞撮…
いったい何度、同じ過ちが繰り返されるのだろう?――Netflixで今月から配信され、週明けに発表されるアカデミー賞にもノミネートされた映画『隔たる世界の2人』は、わずか30分強の内容にもかかわらず、その悲痛な問いが凝縮されている。 SFの人気ジャンル「ル…
「バスケットボールの映画だと思ったらなんだか難しい映画で途中で投げ出した」みたいなレビューを、本作を観た後にネットで目にしてしまった。自分の興奮に冷水を浴びせられるような気になったのだが、もしやと思って見ていくと、そうした「難解」「何が起…
www.youtube.com 26年前、日本の中枢でオウム真理教が引き起こした国内初のバイオテロ、地下鉄サリン事件。本作は、この事件の被害者の1人で、猛毒サリンの後遺症に今も悩まされているさかはらあつし監督が、当時の教団幹部で後継団体の広報部長を務める荒木…
韓国ドラマ『梨泰院クラス』にて、トランスジェンダーの美少年・ヒョニ役を演じた女優イ・ジュヨンが、プロ野球選手を目指す女子高生を演じる、『野球少女』を観てきた。 www.youtube.com この予告編を観てからの「多分こういうのだろうな」という予想からほ…