いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

魂のクソ野郎映画『マーティ・シュプリーム』はなぜ俺を熱くさせるのか

『アンカット・ダイヤモンド』のサフディ兄弟の兄・ジョシュ・サフディ単独監督作『マーティ・シュプリーム 世界をつかめ』。 実在の卓球選手、マーティ・マウザーをティモシー・シャラメが演じている。マーティは言うならばクズ。自分勝手で目的のためには…

メキシコ・カンクン2025‐2026①

ここからしばらく、昨年末から今年にかけてメキシコのリゾート地、カンクンを訪れていた旅行記を書きたいと思う。 くれぐれも先に言っておきたいのは、この旅行は私主導では全くないということである。私などは海外で行ったのはアメリカのみで、それも最後に…

『爆弾』スズキタゴサクという名の「笑い男」

現在公開中の『爆弾』。面白いのはもちろん、とにかく佐藤二朗がいい。絶品。福田雄一作品でしか彼を知らない人にも見てほしい。いや、福田作品でしか彼を知らない人に“こそ”見てほしい。自身で監督した『はるヲうるひと』や、和製スリラーの名作『さがす』…

ヒップホップ映画の新たな名作『KNEECAP/ニーキャップ』が秘めた“反暴力”という鉄の意志

ヒップホップ・アーティストの伝記映画と言えば、『8 Mile』や『 ストレイト・アウタ・コンプトン』があるが、現在公開中の『KNEECAP/ニーキャップ』も、その1作に数えられるだろう。この3作は当該のアーティスト本人が出演や裏方として関わっている共通点…

それは本当に“放送禁止歌”か? 加害者遺族の葛藤描く映画『君が生きた証』が投げかける難問

コーエン兄弟の『ファーゴ』などでおなじみで、目がギョロッとした顔が印象に残る俳優、ウィリアム・H・メイシー。彼が2014年にメガホンを取った『君が生きた証』という映画がある。本作は表現することについて、その倫理についてとても興味深い問いを投げか…

大切な選挙の日なのに全く関係ない映画の話をして申し訳ない

政局を決める大事な国政選挙の日なのに申し訳ない。今日は全然関係ないある映画について語りたい。 それは、『ハリー・ポッター』シリーズのダニエル・ラドクリフがネオナチに潜入するFBI捜査官を演じた映画『アンダーカバー』(2016)だ。 ここから、都合上…

Mリーガー二つ名ランキング

現在、オフシーズンの「Mリーグ」だが、各選手を語るうえでなくてはならないものがある。二つ名、ニックネームである。 純粋な競技麻雀として観戦している人には、「何が二つ名だ。そんなものは雀力はおろか、麻雀の勝敗にも関係ないぞ」と思われるかもしれ…

サブスタンスの罠

(ネタバレ全開) かつて一世風靡し、ハリウッド・ウォークにもその名前が刻まれた女優エリザベス・スパークル(デミ・ムーア)は、いつの間にか忘れ去られ、今では些末なフィットネス番組のMCを務めるのみ。50歳を迎え、自身の容姿の劣化をひしひしと感じ、…

「問題ありな映画バカ」を放置してきた映画界への反省を込めて/『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』

今年2024年最後に紹介したいのは、今週末から公開している『I Like Movies アイ・ライク・ムービーズ』だ。 カナダに住むローレンスは、映画監督になりたい映画大好き、というより映画しか取り柄がない(しばしば映画好きと映画しか取り柄がないは≒で結びつ…

『東京上空いらっしゃいませ』牧瀬里穂をめぐる奇妙な偶然 「クリスマス・エキスプレス」の呪縛

相米慎二監督の『お引越し』、『夏の庭 The Friends』の2作が4Kリマスター版として公開されるのを記念して、現在、Bunkamuraル・シネマ 渋谷宮下で『東京上空いらっしゃいませ』が上映されている。 何年ぶりかに観たが、何度観ても名作は名作だというのを思…

プロレスの「ブック/ブック破り」 あるいはなぜお笑い芸人にプオタが多いのかについて

今年最大級のヒット作、Netflixシリーズの『極悪女王』。この作品が流行った際、その盛り上がりが加速すればするほど、同時に、従来のプロレスファンから、劇中で使われる「ブック」「ブック破り」という言葉に対する疑義が挟まれ、少し物議を醸していた。 …

そろそろぼくらは『速報!歌の大辞テン』の文化的意義を評価するときではないか

よく会社のおじさんやおばさんなど、年配の人に古い歌謡曲の話題をされると、意外とこっちがついていけることに「こんな歌よく知ってるね!」「生まれる前でしょ?」などと驚かれることがある。 しかし、これは別に何もぼくが特に(最近流行りの)昭和好きで…

「娼婦」と「妻」は分かり合えるのか?/映画『午後3時の女たち』

www.youtube.com 「昼は淑女、夜は娼婦」という言葉がある。普段は貞淑に見えるけど、夜ベッドの上では乱れる女性が理想的という、男都合の少々アレな言葉だ。 しかし元来、家父長制がこの淑女と娼婦の両者を、昼と夜ではなく、内側に淑女=妻や娘を囲い込み…

あえて“語らないという方法で名指しで批判する”のは誰か/映画『助産師たちの夜が明ける』

監督:レア・フェネール 出演:エロイーズ・ジャンジョー/ミリエム・アケディウ 原題:Sages-femmes 英題:MIDWIVES 日本版字幕:松岡葉子 医学用語字幕翻訳協力:田辺けい子 宣伝デザイン:日用 宣伝広報:スリーピン 原田徹 Webデザイン:竹内健太郎 www.y…

「Mリーグなんてただの“運ゲー”じゃん」と絶望した俺が不死鳥のごとく蘇るまで

本ブログでも何度かは書いていることだが、ここ数年麻雀にハマっている。麻雀は自分でプレイするのも楽しいし、プロが打っているのを見るのも楽しい。 しかし、そんな麻雀について考えれば考えるほど、麻雀への「愛」、とくにMリーグなどの競技麻雀への「愛…

ヤマもオチもない…でも確実に大切なことを「言いよどむ」映画『アシスタント』

映画館で配られていたポスター。観終わった後に見ると多面的な意味が浮かび上がってくるいいアートワーク 観終わって、まだ観ていない人に説明しようとするときになって、気づく。あれ? あの映画は何を描いたんだろう? ヤマもオチもなかった…と。でも、そ…

「常連客」になる才能がない

会社帰りに家の近くで行ってみたかったお店に3軒に立て続けに満席を理由に断られ、仕方ないとはいえ流石にテンションが下げながら松屋に流れ着く。今トンテキ定食を食べているところである。 みんなの食卓でありたい松屋である。なかなかの大風呂敷を広げた…

『まつもtoなかい』が“かとりtoなかい”以上に本当に見せたかったもの

先週の『まつもtoなかい』で中居正広と香取慎吾が“再会”したシーンは、間違いなく今年のテレビバラエティ史のハイライトの一つになるだろう。 この投稿をInstagramで見る 香取慎吾 Shingo Katori(@katorishingo_official)がシェアした投稿 もうすぐTVerの配…

【2022年のおすすめ映画】俺デミー賞発表!【今年もお疲れ様でした】

年末恒例の年間映画ランキングのお時間です。 今年は劇場、配信含めて561本を鑑賞。前年比でなんと107本も減少してしまいましたが、これは映画への情熱が冷めたわけでも、仕事への情熱が突然湧いてきたためでもござません。スプラトゥーンと麻雀のせいです。…

『M-1』ウエストランド優勝にゴチャゴチャ言い出す人々に抱いた違和感

「人を傷つけない笑い」「人を傷つける笑い」って何? 今回のウエストランドの優勝を受けて、SNS上で「“人を傷つける笑い”の復権」「ポリコレへのカウンター」などと唱える声がある。 おさらいすると「人を傷つける笑い」とは、2019年大会決勝に初進出したぺ…

われわれサラリーマンが森保監督から学ぶべき大切なこと

いやはや恐ろしいものを見てしまった。親のセックスとかではない。この約3週間のサッカー日本代表を巡る世論の手のひら返しの連続である。 ドイツに勝ってやれ大金星だのでかしたポイチだの言っていれば、その数日後にはコスタリカに負けて親の敵のようにボ…

「快適な不自由」より「不快な自由」を選べ 『ドント・ウォーリー・ダーリン』のマニュフェスト

ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー 通常版 [Blu-ray] ケイトリン・デヴァー Amazon 映画『ブックスマート 卒業前夜のパーティーデビュー』で鮮烈な監督デビューを飾った女優オリヴィア・ワイルド。2010年代を代表する傑作青春コメディだが、そん…

人生がしっくりこないアラサーアラフォーが見る映画『わたしは最悪。』

約1万キロ離れた北欧の人たちに自分の見透かされているような気がする映画だ。もしかして、これは世界的に起きていることなのだろうか? 子どもの頃から秀才のユリヤは大学は医学部を専攻。しかし、「私は人を切ったり縫ったりするのに興味があるわけではな…

『ハケンアニメ!』撃沈ムードから復活もたらした“好き”という名のバトン

『ハケンアニメ!』という映画を観た。 派遣社員のアニメではない。そのクールのアニメ界隈の話題をかっさらう(=覇権をにぎる)アニメをめざして作る者たちの映画だ。 吉岡里帆が演じる主人公は、アニメ制作会社・トウケン動画の伝統ある放送枠、夕方5時台…

『シン・ウルトラマン』が『シン・ゴジラ』の熱狂を超えられなかった理由

ウルトラマンTシャツと蒲田くんのスマホスタンド(重宝してます) 大ヒット中の『シン・ウルトラマン』。個人的には、チープな昭和特撮の雰囲気や、ゼットンの斬新な解釈、メフィラス山本耕史など好きな部分もたくさんある作品で、近年の商業的に成功した邦…

鬼越トマホーク『ゴッドタン』で見せた「セルフ文春砲」の生き様 きっかけは後輩芸人からの批判だと邪推してみた

突然始まった「セルフ文春砲」 先週の『ゴッドタン』(テレビ東京系)に出演した鬼越トマホークがかっこよかった。 仲悪くて本番笑いを取るコンビの時代は終わりました。今は仲良くて本番笑いを取らないコンビの時代です。 pic.twitter.com/xEDSXMzE2X — 鬼…

サヨナラBLOGOS

このブログを長らく転載してもらっていたBLOGOSが明日でサービスの更新を終了する。 泡沫ブロガーとしては、大手企業が運営するプラットフォーム上に、何年にもわたって、しかも無料で拙文を転載してもらっていたことに感謝しかない。 ぼくのブログの転載が…

敗者の足跡は勝者と同じぐらい美しい~『M-1グランプリ2007』トータルテンボスの場合~

麻雀にハマっている筆者だが、やっていてつくづく思い出すのは、「勝ちに不思議な勝ちあり、負けに不思議な負けなし」という野村克也の言葉だ。 麻雀は「運ゲー」だと評する人がいる。それはある意味で正しいけれど、それは麻雀というゲームの真実の姿を半分…

信じられないような料金の引っ越し業者に依頼したら信じられないような引っ越しに仕上がった

家から駅に行く道すがら、246の反対車線に懐かしい“もの”を見かけてしまい、思わず声をあげ、ついでにスマホで写真まで撮ってしまった。 それはある引っ越し業者のトラックである。○○引っ越し社―――その名前をつぶやいただけで、ぼくの脳裏にあの凄惨な、おぞ…

回し蹴りに自殺未遂「なんそれ!」ではすまされないZAZYの壮絶すぎる生い立ち

以前、洋裁用品店で見つけたZAZYになれそうな棚 奇妙奇っ怪なフリップ芸と、「なんそれ!」の決め台詞で昨年のR-1グランプリ準優勝と健闘したZAZY。昨年末、ニューヨークのYouTubeチャンネルに出演した際、思いの外ディープな生い立ちを語っていた。 www.you…