いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

民主vs.ニコ動にみる双方向時代の「メディア」とは

選挙前に予想外の場外乱闘が勃発。
民主党の安住幹事長代行が、党首討論をぜひうちでと呼びかけたニコ動に対し「双方向と言いながら極めて偏った動画サイトに投稿を許すようなやり方は、逆に、これまでの良き伝統の党首討論を崩すと思う」と鮮やかに中指をつきたてたことに、今度はニコ動がブチギレ。小林宏社長名義によるやけに格式ばった抗議文が民主に送られたというところがイマココな状況なんですが。

人が「伝統」だ「文化」だと持ち出すのは反論に困った時だという法則がありますがそれはともかく、ここで興味深いのは安住さんの言った「極めて偏った動画サイト」という表現なんですね。


何をもって「偏った」ということが言えるのか。
というのも、「メディア」としてのニコニコ動画には、民主党をはじめ多くの政党が公式チャンネルを持っています。先の民主党代表選も、終了まで生放送されていました。少なくとも、「メディア」としてのニコニコ動画は、偏っているというよりむしろ、誰に対しても開かれた――今回の騒動でもよく目にする言葉ですがーーオープンな場であるという実感の方が強い。偏っていると言われて小林さんが憤慨するのも無理はありません。


ただ、かといって安住さんのニコ動にたいしての認識が間違っていると、一概に責めることもできないんです。
なぜなら、ニコ動は明らかに「偏っている」から。


そしてそれは、視聴者層によってです。有名な話ですが自民党が惨敗した先の衆院選、直前にニコ動が行った「世論調査」では、当時あれだけくそみそに言われていた自民がそれでもわずかに優勢を保っていました。これは選挙結果と明らかに隔たりがある。ニコ動の視聴者層はあきらかに親自民であり、反民主という毛色が強い。それは今もあまり変わっていないでしょう。

つまりまとめますと、「メディア」としてのニコニコ動画はオープンであるけど、そこに集まってくるユーザーは「偏っている」といえる。偏っているのはメディアではなく、そのユーザーの方だったんですね。安住さんは間違っていたというよりも、ひとつの「錯誤」を起こしていたんです。


しかしこれは、視聴者参加型メディアであるがゆえの「錯誤」だと思います。
先に引いた安住さんの発言には「双方向」という言葉が出てきますが、「メディア」としてのニコ動自体が「偏っている」かのように彼に見えたのは、ニコ動が「視聴者参加型メディア」だからです。
では、視聴者参加型メディアであるニコ動において、視聴者が政治的に偏っているということは、「メディア」としてのニコ動自体が政治的に偏っているということになるのか? そこはまだ議論の余地があります。


個人的には、野田さんにはアウェイだと怖じけずかずに出てきてほしいですね。戦況がはてしなく厳しいことには変わりないですが。
だって、見ず知らずの女子大生のオシャレなランチ♪が簡単にネットで見れてしまう今の時代です。何か悪い話を隠そうったって、絶対どこかから露見してしまうものです。そしてバレたら、一度隠していたぶんそれはよりいっそう大きな反発となって返ってきてしまいます。
だから、隠れるくらいなら最初からバンバン出ていった方が得策です。フルオープンの場でフルコンタクトで安倍さんとガンガンやり合う。それでお互いいいところも悪いところも出し切った上で、判断は視聴者にまかせる。それが一番いいんじゃないでしょうか。


それに、視聴者も馬鹿じゃないですよ。いくらネトウヨだろうと、2時間の番組で2時間中ずっとウヨウヨウヨウヨ言っているわけじゃない。そんなの持ちませんって。安倍さんだっておかしいことを言われたら率直にツッコまれるでしょう。国防軍とか言ってますし。

党首討論は29日に予定されてます。いまの民主党執行部には、ニコ動に潔くごめんなさいして党首討論に混ぜてもらう度量があるだろうか。やっぱないかなぁ。。。