いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

2012-01-01から1年間の記事一覧

オワタのはJPOPではなく……

さっきこういうスレを見た。http://katuru2ch.blog12.fc2.com/blog-entry-4186.html毎年この結果を眺めて「JPOPオワタ」を唱えることが恒例行事になりつつあるけど、今年はついに20位圏内のバンドがミスチルだけになってしまった。た、退屈なヒットチャー…

『空手バカ一代』は「経歴詐称」か〜「伝説」が存在し得ない時代に生まれて〜

『巨人の星』や『あしたのジョー』『愛と誠』などの古典的なマンガに最近ちょこちょこ手をだしていて、戦後マンガ史における梶原一騎の重要性を改めて思い知らされているのだけれど、彼が原作をつとめた作品に『空手バカ一代』がある。梶原先生が原作をつと…

もはや我慢ならん。マック店員は" 無愛想無料"で接客するべき

こっちを見ていた時点で、すでにイライラはしていたのだけれど。 岡山駅前の二階建てマックでポテトL60個挑戦してるから来い→店員が困惑 - Togetterこっちを見ていてさらに怒りがわいた。 マックフライポテト60個の件に群がるクレーマーたち - Togetter1つ目…

ゲームの歴史とは「物語の扱い方」だった!?〜さやわか『僕たちのゲーム史』★★★★★★★★☆☆〜

最近、親会社にあたる講談社の現代新書を圧倒する勢いで躍進する星海社新書から出た一冊。「物語評論家」という不思議な肩書きをもつさわ……さやわかさんという方が著したゲームの歴史の本だ。「物語評論家」というのも不思議な肩書きだが、なによりも「物語…

古谷実のマンガ『サルチネス』のモチーフは北九州監禁殺人か?

古谷実の2年ぶりの最新作。サルチネス(1) (ヤンマガKCスペシャル)作者: 古谷実出版社/メーカー: 講談社発売日: 2012/09/06メディア: コミック購入: 3人 クリック: 117回この商品を含むブログ (16件) を見るネットなどで評判を読むと「またいつもの古谷かよ〜…

『ブライズメイズ』を観て結婚披露宴なんてするもんじゃないと改めて思った

目黒シネマにて鑑賞。 30代独身アニー。開業した手作りケーキのお店はつぶれ、恋人にも逃げられ、どっちを向いてもお先真っ暗な彼女にとって親友リリアンだけが心の拠りどころ。しかしそのリリアンがついに婚約、アニーは「ブライズメイドのまとめ役」を頼ま…

グラビアアイドル界の『プロジェクトX』〜『グラビアアイドル「幻想」論』書評〜★★★★★★★☆☆☆

グラビアアイドル「幻想」論 その栄光と衰退の歴史 (双葉新書)作者: 織田祐二出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2011/04/20メディア: 新書購入: 1人 クリック: 9回この商品を含むブログ (7件) を見る本書は長年シーンを追いかけてきた著者が、グラビアアイドル…

「スタバ女」をdisった小説

昨今、回転率ワルくするわ電源がありゃ使いたいだけ使うわそのわりに自分のことをイケてるビジネスマンだと勘違いしてる人たちの総称=ノマド叩きが絶賛盛り上がり中なんだが。 ノマドが叩かれるたびにあたかも共犯みたいにやり玉に上げられてかわいそうなの…

文化系のノーベル賞って、いるか?

今年のノーベル文学賞が発表され、中国の莫言という作家が受賞した。化学賞の山中伸弥京大教授に続き、日本では村上春樹の受賞に期待が集まったが、毎年恒例のノーベル詐欺にひっかかりやれやれ。ところでぼくは、以前からノーベル賞の文化系部門、とくに文…

「暗躍する」のが大好きな人にはオススメ 〜北野武『アウトレイジ ビヨンド』75点〜

前作と同様に終始、強面の男たちの怒号が飛び交うのだが、この映画の「感染力」(『死亡遊戯』を観たあとにブルース・リーのマネをしないではおれないような衝動)はやっぱり強く、男二人で劇場に入ったのだけど、見終わって出てくるときには山王会の構成員…

寡黙なのもいいけどちょっとは説明してよねっ!(プンスカ 〜『ヴァルハラ・ライジング』65点〜

『ドライヴ』のニコラス・ウィンディング・レフィンが一つ前に撮った作品。 北欧の神話をベースにした男臭い映画だ。『ドライヴ』の世界観も男臭いといえば男臭いが、人妻とのせつないロマンスがあっただけにまだ女子成分がある方だ。本作で女性は登場人物と…

悪くはない。けど物足りないのは 〜内田けんじ『鍵泥棒のメソッド』55点〜

笑えるところが少なかったからじゃないかなーと。 (※以下、赤字はネタバレなので、読みたくない人は読み飛ばし推奨)いや、そういう映画じゃないよという話かもしれないが、殺し屋が売れない俳優と入れ替わって……というストーリーだったり、コメディタッチ…

キミは「仕方なく観た映画」が予想外にめちゃくちゃ面白かった経験があるか?〜『アイアン・スカイ』95点〜

新宿武蔵野館で鑑賞。 本当は評判のいい西川美和の『夢売るふたり』か、ジェレミー・レナーきゅんの新作『ボーン・レガシー』が目当てだったんだけど、電車の中で上映スケジュールをしらみつぶしに探しても都合のつく時間帯がなく、映画の日だし引くに引けな…

「大人」になるとは汚くなるということ――ジョージ・クルーニー『スーパー・チューズデー 〜正義を売った日〜』90点

あらすじ 民主党のアメリカ大統領選候補者を決める予備選のまっただなか、ペンシルバニア州知事の実績を引っさげたマイク・モリス(ジョージ・クルーニー)はライヴァル候補に若干のリードを保ったまま次の選挙地オハイオ州に乗り込んだ。彼の選挙参謀のポー…

乙武さん的な何かを体現した映画 〜『最強のふたり』批評〜

おそらくこの映画のポスターや予告編を見たときすでに、(この手の”感動系”はちょっと…)と心理的に距離を置いてしまった人もいるんじゃないだろうか。たしかに障害を乗り越えた愛と勇気の感動巨編! そういう某4チャンネルの募金番組みたいな内容が待って…

有名人と知り合いなのが唯一の自慢という惨めな人たち 〜ジョン・マルコビッチ『アイ・アム・キューブリック! 』批評〜

想像してみてほしい。 あなたの作った作品や何かを、もしあの映画史に残る名監督スタンディ・キューブリックがほめてくれ、しかも次の映画で使いたいと言ってきたら、どうだろう? あなたは小躍りしてそのことを喜ぶだろうが、残念ながら彼は本物のキューブ…

梶原一騎・つのだじろう『空手バカ一代』仮想帯

キャラの魅力に乏しいマンガ原作映画を評価できるか? 〜『るろうに剣心』レビュー〜

週刊少年ジャンプで連載された和月伸宏による同名タイトルの人気マンガの映画化。マンガに限らず原作もののある映画は、どこをどう改編するかというのがかなり重要になってきます。そして、その改編のしかたで、ときに原作をも凌駕する作品が出来上がること…

「ごちそうさま」が「メシウマ」に変わるとき

呉智英『言葉の常備薬』を読んだ。言葉の常備薬 (双葉文庫)作者: 呉智英出版社/メーカー: 双葉社発売日: 2007/06メディア: 文庫購入: 3人 クリック: 16回この商品を含むブログ (11件) を見る日本語についての日常的な疑問や間違いについてつづったエッセイが…

全くありがたくない創世記 〜リドリー・スコット『プロメテウス』批評〜

リドリー・スコットの『プロメテウス』は、構想に数十年をかけたといわれる監督の情熱と、現代のテクノロジーの配合によってようやく日の目を見たSF超大作だ。ストーリーは、古代文明の壁画をヒントに、人類の起源の謎を解く鍵がはるか彼方のある惑星にある…

規制緩和という名の病理 〜『インサイド・ジョブ 世界不況の知られざる真実』レビュー〜

2008年9月15日を境に世界は一変する。アメリカの投資銀行リーマン・ブラザーズの破綻に端を発した世界同時不況である。アカデミー賞の長編ドキュメンタリー部門を受賞した本作『インサイド・ジョブ』は、この不況に至るまでの道筋をたどりながら、はっきりと…

永遠とか一生とか運命とか言うごっこ遊び

だいぶ遅れてしまったが、金環日食について備忘録的に。 さる5月21日に各地で観測されるということで話題になった金環日食であるが、このとき付随的に少し話題になったのがドリカムで、その理由は彼らの90年に発表した「時間旅行」という楽曲に隠されて…

【告知】明日USTします!

告知です。前回『私のいない高校』をとりあげた「いいんちょと愉快な鼎談」のUST第5弾を、明日8月24日(金)の 21時からやります(アーカイブでも見れます)。 今回とり上げる作品は舞城王太郎の『短編五芒星』です。短篇五芒星作者: 舞城王太郎出版社/メーカ…

匿名っぽい実名/実名っぽい匿名 〜青木淳悟『私のいない高校』批評〜

私のいない高校作者: 青木淳悟出版社/メーカー: 講談社発売日: 2011/06/14メディア: 単行本購入: 1人 クリック: 47回この商品を含むブログ (40件) を見る先月に放送した「いいんちょと愉快な鼎談」第四弾であつかった青木淳悟『私のいない高校』について、こ…

売れない芸人こそブログやるべし

おう!パルデンだ!! 解散したぜ。ラヴドライブをな。芸人も辞めるな。 これからは漫才に注いでいた力を、家族に注ぐぜ。 (中略) これが現実だよ。いつか売れると信じてたけどな。「続けてればいつか良い事がある」なんて言うけど、それは結果を出した人…

追悼トニー・スコット 〜『アンストッパブル』(2010年)レビュー〜

ペンシルバニア州北部の操車場の貨物列車が、運転手の捜査ミスで無人のまま走り出してしまった!しかも、みるみる加速していく。このままいくと、大都市圏での大きな脱線事故はさけられない。貨物に毒物を積み込んでいるというのに……。 デンゼル・ワシントン…

娘の処女を守るため、パパ立ち上がる!! 〜リーアム・ニーソン『96時間』(2009年)レビュー〜

リーアム・ニーソン主演、リュック・ベッソン制作の『96時間』は、娘を愛してやまない父親が彼女を取り戻すために孤軍奮闘する、カーアクションありガンアクションありのアクションエンタテイメント。まず観客は冒頭たった十数分で、この主人公ブライアンの…

お父さん、やっぱりあなたはクズでした 〜ヒュー・ジャックマン『リアル・スティール』レビュー〜

人間のかわりにロボットが格闘技をくりひろげられているという2020年を舞台に、父子が戦いをとおして絆を取り戻していく近未来SF。 子ども向けの映画やアニメ、マンガというのは「おもちゃの広告」である。マーチャンダイズというやつで、わかりやすくいえば…

信仰とはなにか? 〜『チェンジリング』(2008年)批評〜

夫と離婚し、女手一つで息子を育てるシングルマザーのクリスティン(アンジュリーナ・ジョリー)を、ある日とつぜん悲劇が襲う。息子のウォルターが失踪したのだ。絶望にくれるクリスティンのもとに、5ヶ月後警察からウォルター発見の報が届く。喜び勇んで…

相手に先立ってぼくらは矛をおさめることができるのか? 〜エドワード・ノートン『アメリカンヒストリーX』(1998年)批評〜

カリフォルニア州はヴェニス・ビーチを舞台に、白人至上主義に傾倒する兄弟を主人公に、今もアメリカ社会に根深く残る人種差別問題にスポットを当てたドラマ。エドワード・ノートンが、ネオナチのリーダー的存在の兄を演じる。ハイスクールのレポートで人種…