いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

2015-01-01から1年間の記事一覧

【映画評】先生を流産させる会

先生を流産させる会 [Blu-ray]出版社/メーカー: キングレコード発売日: 2012/10/10メディア: Blu-ray購入: 1人 クリック: 26回この商品を含むブログ (11件) を見る悪辣だけど優しい、優しいけど悪辣――そういう両義的な人、もの、事というのがたまにある。本…

【映画評】忘れないと誓った僕がいた

忘れないと誓ったぼくがいた発売日: 2015/09/02メディア: Amazonビデオこの商品を含むブログを見る 元ももいろクローバー、早見あかりの主演映画だ。 ごくふつうの高校3年生、葉山タカシの前に現れた謎の美少女・織部あずさ。彼女は実はタカシと同じ学校の生…

映画「シェフ 三ツ星フードトラック始めました」が問いかけるSNSとグルメの難しい関係

このブログでも細々とグルメレポなるものを始めたが、いつも痛感するのが「評論対象としてのグルメの難しさ」だ。千の言葉、万の言葉をつむいでも、結局「味そのもの」など伝えられるわけがなく、また評価を下したとしても「お前の好みだろ」で終わりかねな…

【映画評】アジャストメント

アジャストメント [Blu-ray]出版社/メーカー: ジェネオン・ユニバーサル発売日: 2012/05/09メディア: Blu-ray クリック: 2回この商品を含むブログを見るあなたは「運命の人」というものを信じるだろうか? この世界にたった一人、あなたとつながることが必然…

【映画評】ウィッカーマン

ウィッカーマン [Blu-ray]出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント発売日: 2008/01/23メディア: Blu-ray クリック: 6回この商品を含むブログ (3件) を見るニコラス・ケイジ主演のミステリー。ある個人崇拝を共有する人々が住まう奇妙な孤島…

「飲み直す」という表現がどこか気に入らない

飲み会が一段落したあとに、「もう一軒行こう」などというときに「飲み直す」と表現することがある。 辞書には次のようにある。 酒を飲む場所や相手を変えてまた飲む。 最近この言葉が気に食わないのだ。「飲み直す」ことが嫌いなのではなく、「飲み直す」と…

【映画評】はじまりのうた

はじまりのうた BEGIN AGAIN(字幕版)発売日: 2016/02/10メディア: Amazonビデオこの商品を含むブログを見る ひさびさに、いい映画観たな―という感慨に浸れた。幼稚園のお遊技かという邦題をのぞき、すべていい。音楽の力というのを感じさせられる一作だ。 落…

【映画評】イミテーション・ゲーム/エニグマと天才数学者の秘密

「チューリング・マシン」で知られるイギリスの数学者のアラン・チューリンが第2次大戦中に関わった「エニグマ」解読の顛末を描く、ベネディクト・カンバーバッチ主演作。「エニグマ」とはナチスドイツの使っていたことで知られる暗号機だ。英国側は「エニグ…

【映画評】味園ユニバース

子どものころ、近所に「近寄ったらあかん変なおっちゃん」というのがいた。いつも眼光鋭く、よく見たら男前にすら見える風体なのだが、いざ油断して近づいた女児に「✕✕✕✕してーな」などといって、近所でやっぱりあいつあかんやつや大問題になる、あのおっち…

強力吸盤タオル掛け、絶賛と酷評がならぶAmazonレビューの怪を調査してみた

突然ですが引っ越ししたんですよ。引っ越しそのものの悲惨な話はまた今度にして、今日はそこから派生した話を。 シンクドーン。 いい感じなんだけれど、ちょっと問題が。 タオル掛けがないのである。絶対いるでしょここに!ということでAmazonで買おうと思っ…

ルミネCM問題ごしにもう一度「境界のないセカイ」問題を考えてみる

3日前にドラマ「相棒」の最終回が炎上していると思ったら、おとといにはルミネのCM動画が爆炎していた。なんだなんだと駆けつけてみると、動画では主人公の女性が同僚男性に他の女性社員と比べられた上で「需要がちがう」と言い放たれ、変わろうと奮起して…

三原じゅん子氏の「八紘一宇」発言 ドン引きしたのはそれ以上に……

とんだパーティーピーポーだったことも報じられた三原じゅん子参院議員であるが、参院予算委での「八紘一宇」発言が物議をかもしている。 自民党の三原じゅん子参院議員(比例区・党女性局長)は16日の参院予算委員会の質問で、「ご紹介したいのが、日本が…

「境界のないセカイ」出版中止騒動――「悪いおじいさん」すら認めない講談社について

朝からTwitterでちょっと話題になっていた。 講談社から3月9日に発売予定だった幾屋大黒堂(いくや・だいこくどう)さんの漫画「境界のないセカイ」の単行本が発売中止となり、ウェブ上での連載も打ち切られることになった。幾屋さんのブログによると、性的…

【映画評】ビートルジュース

ビートルジュース 20周年記念版 [Blu-ray]出版社/メーカー: ワーナー・ホーム・ビデオ発売日: 2010/04/21メディア: Blu-ray クリック: 4回この商品を含むブログ (6件) を見る来月公開の『バードマン』にそなえ、個人的にマイケル・キートン特集をしている中…

デート中のスマホ閲覧についてジェネレーションギャップ!?

今日キラキラウェブ女史界隈の女王はあちゅう女史が、こんな記事を公開していた。http://www.gentosha.jp/articles/-/3332 確かにふたりでいるのに 相手が携帯を触っていて、 手持無沙汰の時は、 ひとりで携帯を触っている時より 切なく感じます。同じ空間に…

【映画評】青天の霹靂

青天の霹靂 豪華版(Blu-ray2枚組)出版社/メーカー: 東宝発売日: 2014/12/10メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (2件) を見る「定番」だとか「あるある」だとかいうのは、コンテンツを語る上ではネガティブなイメージがつきまとう。とくに人の涙腺崩壊を…

SNS上で目撃する他人の写真が醸す「いかがわしさ」について

SNSの流行によって、ぼくたちがほとんど初めて「見ず知らずの他人が写っている写真(スナップ写真、記念写真を含む)をながめること」を体験できるようになった。何十年も前の歴史的な資料ならともかく、同時代を生きる赤の他人の写真を目にする機会なんて、…

【書評】吉本隆明という「共同幻想」/呉智英

吉本隆明という「共同幻想」作者: 呉智英出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2012/12/07メディア: 単行本購入: 2人 クリック: 36回この商品を含むブログ (14件) を見るものを知らないのは恥ずかしいが、もっと恥ずかしいのは知らないことを知ったかぶりし、そ…

【映画評】マッド・ナース

日本におけるナースといえば、 こういうのとか、 こういうのが有名であるが、 米国からそんなイメージぶっ壊してやるわいとばかりに殴りこみをかけてきたのが、本作『マッド・ナース』だ。 ニューヨークのとある病院で、トップの活躍をみせるナースのアビゲ…

【映画評】パーフェクト・プラン

「金は天下の回り物」ということわざがある。 どんなに貧乏でもお金が巡ってくることがあるよ、という慰めの言葉なのだそうだが、このことわざは大切なことを言い忘れている。 もしも本当に回ってきたときは、喜ぶ前にとりあえずそのお金が「どの方向から」…

【映画評】そこのみにて光輝く

北海道・函館を舞台に、ある過去から逃れるように流れ着いた男・達夫と、地元の女・千夏が出会い、ひかれあう姿を描く。綾野剛、池脇千鶴共演。冒頭、綾野をものすごくエロい感じで舐めまわすカメラワークなのだが、監督は呉美保という女性だそうだ。ひかれ…

【映画評】俺たちは天使じゃない(1989年)

俺たちは天使じゃない [DVD]出版社/メーカー: パラマウント ホーム エンタテインメント ジャパン発売日: 2007/11/22メディア: DVD購入: 5人 クリック: 33回この商品を含むブログ (11件) を見る1935年、吹雪が襲う米東部のとある刑務所で囚人の脱走が起きた。…

毎日新聞の性犯罪記事から考える「事実と主張」

いつの間にか、こういう話になっていた。 宮崎市のマッサージ店経営者が、女性客を強姦したなどとして逮捕・起訴された事件で、経営者の弁護人の弁護活動が不適切だったとして、性犯罪被害者の支援団体代表が3月3日、宮崎県弁護士会に「懲戒請求」をおこなう…

【映画評】フォックスキャッチャー

「コンプレックス」という言葉は日本語圏でポピュラーでいて多義的だが、その意味の一つに 劣等感がある。「誰々にコンプレックスを抱く」という時のそれは、劣等感という意味に近い。 本作『フォックスキャッチャー』は、誰かにコンプレックスを抱いたこと…

【映画評】キャビン

キャビン [Blu-ray]出版社/メーカー: Happinet(SB)(D)発売日: 2013/09/03メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (21件) を見る 大学教授との恋に破れたJDのディナは、ルームメートのジュールズに誘われ気分転換に山小屋(Cabin)のキャンプに行くことに。ジ…

【海外旅行ド素人の】ラスベガスの印象を語るよ!!後編【旅行記】

前回からのつづき。 【感想その4】かわいいが「少ない」 経由地のシアトルの空港でアメリカに足を踏み入れたときからどこか違和感があって、それがこれ。観測範囲の問題なのかもだけど、少なくともシアトルやラスベガスに関しては"かわいい"という感覚が重…

【海外旅行ド素人の】ラスベガスの印象を語るよ!!前編【旅行記】

突然ですが、ラスベガス行ってきたんですよ。 清原の出るやつじゃなくて、本物の方です。 グランドキャニオンと合わせて三泊五日。 海外旅行は前回2002年のが最初で最後だったので、個人的には本当に本当に久しぶり。 ということで、今日は旅行で思ったこと…

【映画評】ブルー・リベンジ

「復讐者」や「復讐の鬼」と聞くと、怒りに肩を震わせる物々しいビジュアルを想像しがちだが、本作『ブルー・リベンジ』は、映画史上類を見ない間抜けでおとなしい復讐鬼による、映画史上類を見ない不格好な、ドン臭い復讐劇といえるかもしれない。 青いオン…

【映画評】アメリカン・スナイパー

イラク戦争において160人あまりの敵を殺害し、味方の命を守ったというネイビー・シールズの伝説的なスナイパーの半生を描いた、クリントイースト・ウッド最新作。 『世界にひとつのプレイブック』『ハングオーバー!』シリーズで知られるブラッドリー・クー…

「ロジカルシンキング」ブログの自粛宣言で思ったこと

和歌山県で起きた小学生刺殺事件について言及した『ロジカルシンキングができない人々【論理よりも感情が優先される国】』という記事で注目を集めていた自由人さんというブロガーが、ブログを自粛してしまうらしい。 ネット社会における「言葉」の意味を考え…