いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】ビートルジュース

ビートルジュース 20周年記念版 [Blu-ray]

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来月公開の『バードマン』にそなえ、個人的にマイケル・キートン特集をしている中でみた一本。1988年公開のティム・バートン監督デビュー4作目だ。
片田舎で夢のマイホームを手に入れた若い夫婦。バカンスにいく道すがらで不幸にも事故にあい2人はあっけなく死んでしまうが、人には見えない幽霊として我が家に居着くことになる。
しかし、そんな事情を知らない人間界では勝手に話がすすみ、夫婦の家はニューヨークから越してきた投資家一家によって買われてしまって……。


笑えてちょっと怖いという今にも続く監督の特徴が、すでにこのころから色濃くでている。とくに、この当時は今のようにCGが発達しなかったため、かえって怖いというシーンもある。たとえば、死後の夫婦は家から外に出られないのだが、誤って出た際に広がる異世界の描写など、CGと比べ物にならないぐらいチープだが、チープゆえの不気味さがある。もしかしたらその「怖さ」は、こうしたチープさが当たり前だった公開当時の鑑賞者には味わえないものかもしれない。


この若夫婦の奥さんを、押せばすぐやらせてくれそうなジーナ・デイヴィスが演じている。
それに対して、このハンサムな優男の夫を誰が演じているかというと……


アレック・ボールドウィンだってよ! 痩せすぎぃ!!!


結構引っ張った上で、いよいよお待ちかねの死者の世界の騒がせ者、タイトルにもなっているビートルジュースの登場である。


こいつをマイケル・キートンが演じていて、トリックスターとしてストーリーをかき乱していく。
ただ、どうしてもマイケル・キートンジョニー・デップが演じていたはずの役をやらされている」感が拭えないのが事実で。これはキートンに落ち度があるというより、そもそもタイプが違うような気がするのだ。どうしてもキートンが演じると野太くワイルドになって、もしジョニデが演じていたら醸しだしそうな可愛げがなくなってしまう。
ご存知のとおり、このあと連綿と続くティム・バートン作品群においてはジョニー・デップが、ビートルジュースと似たような人ならざる「異界からの使者」を繰り返し演じていくことになる。
キートンキートンでお払い箱になったわけではなく、監督の第5作品で『バットマン』を演じているのは、もはや周知の通り。


それから、DVDで鑑賞する際にはぜひとも日本語版で見てほしい。ビートルジュースの登場シーンでびっくりするはず。


アニメ「じゃりン子チエ」のテツでおなじみの西川のりお師匠である! テツなら関西人なのでまだわかるが、洋画においてほとんどのりお師匠がのりお師匠のまんまで出ているので、こちらもm要注目。ビートルジュースという何か別の新しいキャラを作ろうとする意思がまるで感じられない。これは思い切ったキャスティングだ。