いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】パーフェクト・プラン


「金は天下の回り物」ということわざがある。
どんなに貧乏でもお金が巡ってくることがあるよ、という慰めの言葉なのだそうだが、このことわざは大切なことを言い忘れている。
もしも本当に回ってきたときは、喜ぶ前にとりあえずそのお金が「どの方向から」やってきたかに気をつけなければならない。本作「パーフェクト・プラン」はそのことを教えてくれる。


異国の地イギリスでの成功を夢見るも挫折し、貧しい生活を送るトム(ジェイムズ・フランコ)とアナ(ケイト・ハドソン)の夫妻。せっかく借りた自宅さえも手放そうとしていたそのとき、2200万ポンド(日本円で約3500万円)もの大金が転がり込む。
お金を拾ったらおまわりさんに届けましょうという教えを忘れ、浮かれモードのトムはネコババを画策するが、言わんこっちゃない。ここで恒例の怖いお兄さんたちの登場である。


ここから、本作のタイトルどおり「完璧な計画」を練り、トムとアナはピンチをくぐり抜けていく……のかというとぜんっぜん違って、思いつきアンド思いつきアンド思いつきと、誤算アンド誤算アンド誤算の連続。
そういう意味で、このタイトルは皮肉なのかな? とさえ思う。ちなみに原題は"Good People"で、主要登場人物に真っ白な人が一人もいないという意味で、こちらも皮肉といえるかもしれない。


誤算につぐ誤算の末、追い込まれた二人が一縷の望みをかけるのが、手放しかけていたマイホーム。ここで死のホームパーティーだぜ! といわんばかりに「バイオレンス過ぎるホーム・アローン」の幕があがる。
このクライマックスを前にして、傷だらけの二人は「アナ、俺が悪かったよ」「トム、あなたがいれば何もいらない」 ( ̄ー ̄(。-_-。*)ゝポッ とかやってるのだが、おい君たち、お・そ・す・ぎ・る・YO!!!


『最強の二人』のオマール・シーがフランス国内ではもはや敵なしというマフィア"チンギス・ハーン"として出ていて、不良ヘルパーは完全に脱したマジもののを演技を見せていて圧巻。惜しむらくは、もう少し見せ場があってもよかったのでは?
クライマックスでの夫婦のドン引きするほどの不死身っぷりも違和感が残るのだが(もしかしたら、その直前の( ̄ー ̄(。-_-。*)ゝポッのシーンでラブゲージがMAXだったのかもしれない)、全体的には上々のアクション映画となっている。