いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】マッド・ナース


日本におけるナースといえば、


こういうのとか、


こういうのが有名であるが、


米国からそんなイメージぶっ壊してやるわいとばかりに殴りこみをかけてきたのが、本作『マッド・ナース』だ。


ニューヨークのとある病院で、トップの活躍をみせるナースのアビゲイル。実は彼女にはもう一つ、夜な夜な「悪い男」をみつけては"手術"して歩くという狂気の顔があったのだ。
このアビゲイルを、パス・デ・ラ・ウエルタというなんともいえない顔の女優が演じていて、スタイルは抜群だが、一概に美人とはいえない顔がかえってそそる。


彼女を主役に迎え、脱ぐ、ヤる、ぶち殺すという三拍子そろったバイオレンスムービーになるかと思いきや、意外な展開をみせる。
ストーリーは、そんな彼女のもとに可愛い可愛い後輩ナースのダニーが入ってくるところから始まる。アビゲイルはダニーを自分のものにしようとするのだが、彼女にはアビゲイルからしたらにっくき存在といえる彼氏がいたのだ。
そう、本作は意外にも、日本でも近年急速にそのシーンが加速している「百合もの」といえるかもしれない。


つまりアビゲイルが起こすのは、(ある過去が原因となった)男性不振と、かわいい後輩女子を独占できないことへの嫉妬心からくる凶行といえる。


ただ、惜しむらくはダニーが結構賢い子で、アビゲイルの陰謀にそこまで深くはまらないのだ(それでも昏睡レイプはされているのだが!)。
特に後半はお色気が鳴りを潜め、ストーリーを進めることに重きが置かれていたようで残念。深夜の診療室で新人ナースがブタ医者にバックから突き上げられる定番シーンがあったり、日本が誇る伝統芸能「志村後ろ!」が再現されるなど、部分部分ではみられるところもあったのだが。


「マッド」と名のつくわりに(といってもこれは邦題だが)、すこし到達距離が伸びなかったという印象があった。