いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【海外旅行ド素人の】ラスベガスの印象を語るよ!!後編【旅行記】


前回からのつづき

【感想その4】かわいいが「少ない」

経由地のシアトルの空港でアメリカに足を踏み入れたときからどこか違和感があって、それがこれ。観測範囲の問題なのかもだけど、少なくともシアトルやラスベガスに関しては"かわいい"という感覚が重視されていないと感じた。キャラクターグッズが本当に少ない。
そりゃそうだよね、オトナの街だもんね。
逆に言えば、ぼくが日頃どれだけ「かわいい」にあふれた空間に身を置き、「かわいい」に毒されているかという話である。

今回の旅行で唯一かわいいと思ったぬいぐるみ。グランドキャニオンに生息しているらしい。名前は知らん。

【感想その5】小沢さん、グランドキャニオンにまったく柵がないってわけじゃないよ


グランドキャニオンについては、「柵がない」という触れ込みだったため旅立つ前から少し恐れていた。政治家・小沢一郎氏がその著書『日本改造計画』において、アメリカの自己責任という行動原理の一例として、グランドキャニオンに柵がないことを引き合いに出しているのだそうだ。


実際行ってみると、柵がないわけではない。見晴らしのいいビューポイントにはちゃんと設けられてあり、ピョーンとそのままダイブできないようになっている。
もちろん柵がどこもかしこもあるわけじゃないのだろうけれど、小沢さんは話を盛り過ぎている。

【感想その6】カジノの理想と現実

賭け事をする習慣がない人間なのだけど、ものは試しにとカジノはやってみた。
出国前から諦めてはいたけど、ぜんっぜん英語がしゃべれない身からすれば例のカジノディーラーが陣取っている席なんて怖くて行けなくて、ましてやディーラーに向かって「調子はどうだい?」なんて軽口は叩けないのだ。


本当はこれが理想像だったのだけど。。。(映画『ラスベガスをぶっつぶせ』より)


また、最低賭け金というのがあって、人件費がかかっているためかディーラーが座っている席はマシンよりも高い。貧乏旅行なので、この出費はちょっと痛い。


そうしたことから終始、スロットマシンに向き合っていたのだけれど、悲しいかなスロットのルールもわからないんすよ(涙目)。
日本のように丁寧じゃないから、全然説明書きもなくてわけわからんかった。硬貨を何セント無駄にしたことか!

映画『ハングオーバー!』や、

スター・ウォーズ』のマシンもあったが、遊び方がわからなかった…。

ということで最終的に行き着いたのが、自動のルーレットマシン。毎回本当にルーレットが回り、結果が決まるとほぼ同時にまた次の回が始まる。かなり早いペースだ。

タッチパネルの操作で賭けるお金と賭け方を指定する方式で、英語で話しかけられる心配はない。また、ルーレットはネットでルールが調べられるし、意外と簡単なのである。
そんなもんだから、席は8席あるのだが、一度ぼくのような日本人ばかりがそのマシンを陣取るという笑えるような悲しいような事態があった。


気になる結果だが、1日目は不思議なことに勝利となったわけだ。なぜか36倍の1点賭けが当たるなど、10ドルそこらしか賭けていないのに46ドルぐらいにまで増えた。
これに気をよくして2日目、3日目と続けたわけだが……まぁトータルで負けましたよね……。絵に描いたような初心者の体験であった。


ここでだ、カジノの現実というものがよくわかる光景を紹介しておこう。
ものすごくだだっ広いカジノがどのホテルにもあることは先述したが、それに対して各換金所(CACHE OUTとかCACHERとか言うらしい)がこんな光景なのだ。



寂しい。あまりにも寂しすぎる。。。


ここから容易に想像できるのは、
カジノに入るお金>>>>>超えられない壁>>>>>カジノから出て行くお金、
という現実。


いかにカジノが儲かるかがわかるだろう。ちなみに、ラスベガス市の税収の4割をカジノが占めるのだとか。

【感想その7】歴史が面白い

どの観光地もそうだろうけれど、ラスベガスは歴史も面白い。
以下、ガイドさんで聞いた話の受け売りで、3人の人物をとおしてその歴史を概観していきたい。
まず1人目は、空港の名前にもなっている米国上院議員パトリック・マッカラン(1876−1954)という人。この人がマフィアがはびこるという理由からラスベガスでのカジノを廃止しようという流れに待ったをかけたんだそうだ。
つまり彼は「ラスベガス=カジノ」というイメージを守った立役者である。


続いては大富豪のハワード・ヒューズ(1905−76)。この人はマーティン・スコセッシが伝記映画『アビエイター』で描いているが、マフィアからホテルとカジノを買い取って、ラスベガスをより健全なものにしたのだそうだ。


そして最後、90年代以降のラスベガスにおいて英雄とされているのがスティーヴ・ウィン(1942− )という御仁。親にもらった小さなビンゴホールから始まり、ヒューズの買収を見込んだ株式投資によってビジネスを拡大し、ぼくが宿泊した地区に一大リゾートを作ってしまった。

この人がシルク・ド・ソレイユのために初めての専用劇場を作ってあげて、のちに続くラスベガスのエンターテイメント化に先鞭をつけたわけである。
その後、MGMグループに敵対的買収をしかけられてベラッジオ、ミラージュといった自前のホテルを失ってしまうが、ナニクソとばかりにその近くにウィン ラスベガス、アンコール ラスベガスというこれまた巨大な姉妹ホテルをおっ建ててしまう。リベンジの規模がデカイよ!
このようにしてストリップ地区が繁栄していく一方で、当初栄えていたダウンタウン地区が衰退していってしまう。
が、その地区の商工会が踏ん張って、ハイテクアーケードをこしらえ、これが名物となって盛り返して今に至っている。


面白いのは、カジノ街といってもダウンタウン地区とストリップ地区でちょっと雰囲気が違うところだ。なんというのだろう、ストリップ地区のネオンが"近未来"という感じなら、ダウンタウン地区のネオンはオールドスタイルというか。
ちなみに、スコセッシの『カジノ』の舞台もダウンタウン地区にある。


このようにラスベガスが面白いのは、例えばイタリア・ローマのようにその歴史が空間的に刻まれているところだ。

まとめ:満足度は高かったぞ!!!

別にカジノにお金を落とさなくても、夜景を見て歩くだけでも全然あり。なんたって、街全体がエレクトリカルパレードのような場所なのである。そんな浮世離れしたところ、他にないだろう。
とくに、ラスベガス随一のホテル、ベラッジオ(「オーシャンズ11」の撮影場所)での噴水ショーや、


ミラージュの火山ショーは見ておいて損はない。


こうしたショーをホテルがするのには、自前のカジノに人を呼びこむという狙いがあるのだとか。どれだけド派手な呼び込みだよ。
しかもカジノに入らなくてもショー見えちゃうし!気前よすぎ!
そう、ラスベガスを覆うのは「ドを超えた気前の良さ」である。

治安についても、ストリップ地区もダウンタウン地区も一番の表通りを歩いている間は危ない感じは受けなかった(ただ、裏路地や市庁舎街は夜出歩かないほうがいいらしい)。
カジノでカツアゲされるんじゃないかと恐れていた。ところが現地での話によると、カジノこそがおそらくラスベガス内で最も安全な場所なのだ。常時何百台もの防犯カメラが監視を続け、犯罪やイカサマが行われていないか目を光らせている。

こちらが、エッフェル塔を再現したホテル、パリス ラスベガス。


ということで、飛行機は十数時間ときついが、それでも満足度が高い旅行であった。


VIVA! LAS VEGAS!!