いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【書評】家族という不思議な集合体についての小説「ひなた」

ひなた (光文社文庫)作者: 吉田修一出版社/メーカー: 光文社発売日: 2008/06/12メディア: 文庫購入: 1人 クリック: 7回この商品を含むブログ (41件) を見る家族とは不思議なものである。 いや、ここでいう「家族」とは、父親や母親や兄といった、具体的な続…

【書評】マネー・ボール/マイケル・ルイス

マネー・ボール (RHブックス・プラス)作者: マイケル・ルイス,中山宥出版社/メーカー: 武田ランダムハウスジャパン発売日: 2006/03/02メディア: 文庫購入: 26人 クリック: 216回この商品を含むブログ (165件) を見る「安物買いの銭失い」ということわざがあ…

【書評】アズミ・ハルコは行方不明/山内マリコ

アズミ・ハルコは行方不明作者: 山内マリコ出版社/メーカー: 幻冬舎発売日: 2013/12/19メディア: 単行本この商品を含むブログ (20件) を見る『ここは退屈迎えにきて』で話題になった山内マリコの書き下ろしによる小説第2作。 前作と同じく、TSUTAYAやしまむ…

【書評】愛が冷めても憎んでも、なんとなく続いてしまう結婚生活の不思議/唯川恵「ベター・ハーフ」

ベター・ハーフ (集英社文庫)作者: 唯川恵出版社/メーカー: 集英社発売日: 2005/09/01メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 6回この商品を含むブログ (33件) を見る大手広告代理店の営業として汗を流す文彦と、商社に「腰掛け」として数年働いていた永遠子は、…

【書評】広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。

広告やメディアで人を動かそうとするのは、もうあきらめなさい。作者: 本田哲也,田端信太郎出版社/メーカー: ディスカヴァー・トゥエンティワン発売日: 2014/07/30メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (6件) を見る 戦略PRプランナーの本…

【書評】パラドックス13/東野圭吾

パラドックス13 (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/05/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (21件) を見る日本の大月首相は、JAXAの担当者からブラックホールの影響で3月13日13時13分13秒に起きると予測されている「P−13現象…

【書評】凶悪 ―ある死刑囚の告発―

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)作者: 「新潮45」編集部出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/10/28メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 162回この商品を含むブログ (46件) を見る死刑判決を受け上告中だった元暴力団組員の後藤良次が2005年、上申書におい…

【書評】デフレ化するセックス/中村淳彦

デフレ化するセックス (宝島社新書)作者: 中村淳彦出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2012/12/10メディア: 新書購入: 3人 クリック: 52回この商品を含むブログ (6件) を見る 内容紹介 一人暮らしする独身女性の3人に1人が貧困状態(年間の可処分所得112万円以下…

【書評】フード左翼とフード右翼/速水健朗

フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書)作者: 速水健朗出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/12/13メディア: 新書この商品を含むブログ (36件) を見る 内容紹介 「有機野菜」「地産地消」「ベジタリアン」「ビーガン」「マクロビ」「…

【書評】うわさとは何か −ネットで変容する「最も古いメディア」

うわさとは何か - ネットで変容する「最も古いメディア」 (中公新書)作者: 松田美佐出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/04/24メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) デマ、流言、ゴシップ、口コミ、風…

【書評】孤独死のリアル/結城康博

孤独死のリアル (講談社現代新書)作者: 結城康博出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/05/16メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る 内容紹介 2015年には独り暮らし高齢者600万人、「最期は家で独りで」の時代が始まる。そのために知っておきたい…

【書評】ちょいブスの時代/常見陽平

ちょいブスの時代 ~仕事と恋愛の革命的変化 (宝島社新書)作者: 常見陽平出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2013/07/10メディア: 新書この商品を含むブログを見る 内容(「BOOK」データベースより) 同じ能力でも美人が優遇され、ブスは割を食う―ところが昨今は…

【書評】一〇年代文化論/さやわか

一〇年代文化論 (星海社新書)作者: さやわか出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/04/25メディア: 新書この商品を含むブログ (14件) を見る気鋭のライターさやわか氏による、2010年代論。2014年の現在にもう10年代を語るのかという疑問に、筆者は「はじめに…

【書評】震度0

震度0 (朝日文庫 よ 15-1)作者: 横山秀夫出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2008/04/04メディア: 文庫購入: 2人 クリック: 32回この商品を含むブログ (73件) を見る1995年1月17日、兵庫県で震度6を観測する大規模な地震が起きたその日、N県警察本部でも…

【書評】ルポ 介護独身

ルポ 介護独身 (新潮新書)作者: 山村基毅出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/06/16メディア: 単行本この商品を含むブログ (4件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) 自分のことだけを考えていれば良かった生活に、ある日突然、親の介護が立ちはだか…

【書評】世界的プロ・ゲーマーが語る"成長し続ける方法"「勝負論 ウメハラの流儀」

先日、会社の同僚からおもむろにこの本を手渡された。勝負論 ウメハラの流儀 (小学館新書)作者: 梅原大吾出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/10/01メディア: 新書この商品を含むブログ (15件) を見る「人生にマストのアイテム、見つけたぜ」というメッセー…

「家事」あるいは「夫婦」についての優れた言葉達

無意味に本ばかり読んでいてもたまにはいいことがあって、それは点と点をつなぐように、本と本の内容が頭の中でリンクするときだ。 今回は「家事」あるいは「夫婦」について、膝を打った記述を紹介してみたい。 まずは、昨年のTwitter文学賞で1位を獲得した…

「気分が大事だった時代」←お前が言うな! 堀井憲一郎「やさしさをまとった殲滅の時代」

やさしさをまとった殲滅の時代 (講談社現代新書)作者: 堀井憲一郎出版社/メーカー: 講談社発売日: 2013/10/18メディア: 新書この商品を含むブログ (9件) を見る 【目次】序 章 たどりついたらいつも晴天 第1章 00年代を僕らは呪いの言葉で迎えた 第2章 イン…

「8歳からの内定獲得術」を実際に読んでみた

先月、偶然見つけたこんな画像を投稿したところ、ドドドと拡散されることがあって。 めまいがするようなタイトル。こんな偏狭な育て方したら、子どもがおかしくなるぞ。 pic.twitter.com/eYhei6VDWX— 倒錯委員長 ??(゚Д゚) (@usukeimada) 2014, 5月 24 この画…

【書評】あんな「お客(クソヤロー)」も神様なんすか?/菊原智明

あんな「お客(クソヤロー)」も神様なんすか? 「クレーマーに潰される! 」と思った時に読む本 (光文社新書)作者: 菊原智明出版社/メーカー: 光文社発売日: 2013/08/09メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る 内容紹介 お客様はなんて勝手な生き物な…

【書評】納得はできんが人の意見が聞きたくなる坂爪真吾「男子の貞操」

男子の貞操: 僕らの性は、僕らが語る (ちくま新書 1067)作者: 坂爪真吾出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/04/07メディア: 単行本この商品を含むブログ (15件) を見る主義を一から十まで肯定することはできないが、その熱意は一読に値するという本を、今…

【書評】下流社会 第3章――オヤジ系女子の時代/三浦展

下流社会 第3章 (光文社新書)作者: 三浦展出版社/メーカー: 光文社発売日: 2011/12/16メディア: 新書 クリック: 5回この商品を含むブログ (8件) を見るマーケティングの専門家である著者によると、現代の女性の趣味は多様化しているらしい。従来のようにフ…

【書評】高学歴男はなぜモテないのか/犬山紙子

高学歴男はなぜモテないのか (扶桑社新書)作者: 犬山紙子出版社/メーカー: 扶桑社発売日: 2013/08/31メディア: 新書この商品を含むブログ (3件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) 「過去の栄光」を語るとき、男はブサイクになる、上から目線のアドバ…

【書評】遺体――震災、津波の果てに/石井光太

遺体: 震災、津波の果てに (新潮文庫)作者: 石井光太出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2014/02/28メディア: 文庫この商品を含むブログ (10件) を見る3.11が起きた当時、ビートたけしが発表した談話が大きく注目された。 ――「2万人が死んだ一つの事件」ではな…

【書評】女は笑顔で殴りあう マウンティング女子の実態/瀧波ユカリ・犬山紙子

女は笑顔で殴りあう:マウンティング女子の実態 (単行本)作者: 瀧波ユカリ,犬山紙子出版社/メーカー: 筑摩書房発売日: 2014/02/08メディア: 単行本(ソフトカバー)この商品を含むブログ (10件) を見る 内容紹介 私の方が上ですけど? 「私の方が立場が上! 」…

【書評】高学歴女子を苛む「女なのに」と「女だから」−−芦崎生「スコールの夜」

スコールの夜作者: 芦崎笙出版社/メーカー: 日本経済新聞出版社発売日: 2014/02/18メディア: 単行本この商品を含むブログ (9件) を見る 平成元年に東大法学部を卒業、都市銀行トップの帝都銀行に女性総合職一期生として入行した吉沢環が女性初の本店管理職に…

【書評】承認をめぐる病/斎藤環

承認をめぐる病作者: 斎藤環出版社/メーカー: 日本評論社発売日: 2013/12/23メディア: 単行本この商品を含むブログ (12件) を見るサブカルチャー方面への書籍も多数ある精神科医・斎藤環氏の新刊。本書の主要なテーマはタイトルのとおり「承認」だが、各種媒…

【書評】生徒より教師の反応に絶望感が募る鈴木翔「教室内カースト」

教室内(スクール)カースト (光文社新書)作者: 鈴木翔,解説・本田由紀出版社/メーカー: 光文社発売日: 2012/12/14メディア: 新書購入: 6人 クリック: 111回この商品を含むブログ (38件) を見る近年、徐々に普及し定着しつつある「スクールカースト」という概…

女史たちよ! バレンタインデーには本贈れ!!

女性が男性にチョコレートを贈ることがすっかり定番化した我が国のバレンタインデーだが、これは万国共通ではない。ネット上にもさまざまな記事があるが、何を贈るか、そして誰が誰に贈るかも、各国でばらつきがある。 チョコレートを送るという習慣が日本に…

今夜8時から! Ustream鼎談 第20回「おやすみプンプン」前口上

いいんちょと愉快な鼎談、第20回目の今回は、先月完結した『おやすみプンプン』全13巻。おやすみプンプン 13 (ヤングサンデーコミックス)作者: 浅野いにお出版社/メーカー: 小学館発売日: 2013/12/27メディア: コミックこの商品を含むブログ (14件) を見る …