いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

2014-01-01から1年間の記事一覧

ニートが彼女を作るということ

世の中には、あまりにわかりきった「常識」のため、それが本当なのかどうかが深く検討されなくなった物事がある。ま、その多くはやっぱり正しいわけなのだが、今日は一つ、再検討すべき「間違った常識」を紹介しよう。 それは、ニートはモテないという「常識…

【映画評】砂漠でサーモン・フィッシング

イギリスの省庁に勤務する水産学者のアフルフレッドに、ある日珍妙なメールが舞い込む。送り主はイエメンの大富豪をクライアントに抱える投資コンサルタントのハリエットで、要件は中東の砂漠で鮭釣りを実現させてほしいという奇妙奇天烈なオファーだった。…

【映画評】ヒントは剃毛!? ジェームズ・マカヴォイ×ダニー・ボイルのクライムサスペンス「トランス」

絵画のオークションが強盗団に襲撃された。彼らの獲物は、いままさに2750万ポンドで落札されたゴヤの『魔女の飛翔』。競売人のサイモン(ジェームズ・マカヴォイ)は、緊急時のマニュアルどおり絵画を抱えて避難しようとしたが、待ち伏せていた強盗団のボス・…

アイドルたちが最も恐怖するもの

少し前だが、12日に同じ現象に正反対の角度から光を当てたような記事を2本、目にした。 女性アイドルグループ「でんぱ組.inc(でんぱぐみインク)」の「最上もが」が11日、ネット上での自身に対する誹謗中傷に触れ、対処法について持論を展開した。 (中略) …

【書評】パラドックス13/東野圭吾

パラドックス13 (講談社文庫)作者: 東野圭吾出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/05/15メディア: 文庫この商品を含むブログ (21件) を見る日本の大月首相は、JAXAの担当者からブラックホールの影響で3月13日13時13分13秒に起きると予測されている「P−13現象…

【映画評】あぜ道のダンディ

『川の底からこんにちは』の石井裕也監督作。灰色がかった田舎町を舞台に、人生の曲がり角で奮闘するおっさんの姿を描く。光石研主演、田口トモロヲ共演。「あぜ道」という語にインパクトがあり、都会から取り残された田舎が主題(『サイタマノラッパー』的な…

【映画評】ゾンビアス

『片腕マシンガール』『電人ザボーガー』などで知られる井口昇監督作品『ゾンビアス』は、過剰なサービス精神が、愛すべきありがた迷惑にまで昇華した、エネルギッシュな映画だ。あらかじめ言っておくと、家族団らんで鑑賞する事は断じてお勧めしない。また…

【映画評】凶悪

先日の書評したノンフィクション小説『凶悪』。同名タイトルの本作は、事件を追う記者・藤井(山田孝之)を主人公にした映画化作品。リリー・フランキー、映画『アナ雪』のオラフこと電気グルーヴ・ピエール滝が共演。 元々がルポタージュなので、映画化するに…

自殺の「被害者」を無視する長谷川豊氏の自殺否定論

元フジテレビのアナウンサー、長谷川豊氏が理研の笹井芳樹氏の自殺に関連し、気炎を上げている。 僕は笹井さんに同情しない。 笹井さんはやらなければいけないことが沢山あった。 そこから逃げ出して、周りを、笹井さんを大切に思う何人もの人を傷つけた笹井…

【書評】凶悪 ―ある死刑囚の告発―

凶悪―ある死刑囚の告発 (新潮文庫)作者: 「新潮45」編集部出版社/メーカー: 新潮社発売日: 2009/10/28メディア: 文庫購入: 11人 クリック: 162回この商品を含むブログ (46件) を見る死刑判決を受け上告中だった元暴力団組員の後藤良次が2005年、上申書におい…

映画「日本のいちばん長い日」が描く"国家が戦争に負ける"という風景

大宅壮一の名で発表されたノンフィクション(実際は半藤一利による著作)を、岡本喜八監督が映画化した作品。東宝の創立35周年を記念した作品で、当時の東映が誇るオールスターキャストが集結しているが、なによりも、この映画が戦後わずか22年の時期に出てき…

【書評】デフレ化するセックス/中村淳彦

デフレ化するセックス (宝島社新書)作者: 中村淳彦出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2012/12/10メディア: 新書購入: 3人 クリック: 52回この商品を含むブログ (6件) を見る 内容紹介 一人暮らしする独身女性の3人に1人が貧困状態(年間の可処分所得112万円以下…

【書評】フード左翼とフード右翼/速水健朗

フード左翼とフード右翼 食で分断される日本人 (朝日新書)作者: 速水健朗出版社/メーカー: 朝日新聞出版発売日: 2013/12/13メディア: 新書この商品を含むブログ (36件) を見る 内容紹介 「有機野菜」「地産地消」「ベジタリアン」「ビーガン」「マクロビ」「…

「虎の穴」としてのすき家

ここ最近、大手飲食チェーンの社長や幹部が、相次いでその極端な経営哲学を開陳し、物議を醸している。 先日はワタミの社長が「俺たちゃ家族!労組はいらねぇ!」と宣言していたが、すき家の第三者委による報告書も各所ですでに話題になり、捨てるところがな…

【映画評】2つ目の窓

奄美大島の大自然を舞台に、 高校生の界人と杏子が、生(性)と死、自然と人間といった境界線で揺れながら、すこしずつ大人になっていく姿を描く。 「支配権」が放棄された不思議な映画 河荑直美監督の映画は初鑑賞なのだけれど、非常に特殊な撮り方をする人…

裸になるタレントと収入を暴露するタレントの共通点

最近の芸能人、テレビで収入言いすぎじゃね? と思う。あくまで記憶した範囲の話だが、ぼくが熱心にテレビを見ていたころ(たぶんアナログ放送が終わるまでだから2011年?)までは、番組内で収入の話題になっても、タレントは最後の最後まで具体的な数値はい…

「夏休み」に遊ばれないために

近頃の大学生は「夏休み」に遊ばれるらしい。それは、海水浴で知り合った悪い男に騙されるとか、そういうたぐいの話ではない。文字通り、「夏休み」にもてあそばれるのだ。この問題はソーシャルメディアの普及に関係している。夏休みの最中、暇を持て余して…

【書評】うわさとは何か −ネットで変容する「最も古いメディア」

うわさとは何か - ネットで変容する「最も古いメディア」 (中公新書)作者: 松田美佐出版社/メーカー: 中央公論新社発売日: 2014/04/24メディア: 新書この商品を含むブログ (5件) を見る 内容(「BOOK」データベースより) デマ、流言、ゴシップ、口コミ、風…

【映画評】パークランド ケネディ暗殺、真実の4日間

パークランド ケネディ暗殺,真実の4日間 [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2014/11/19メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (2件) を見る アメリカの歴史上、最大の事件の一つとされるジョン・F・ケネディ大統領暗殺事件。本作は、奇し…

【映画評】複製された男:原題「ENEMY」

大学の歴史教師として生計を立てるアダムは、ある日奇妙な映画を目にする。筋書きがおかしいのではない。劇中、自分にそっくりな俳優が出てくるのだ。ネットや他の出演作を調べていくうちに、相手は身ごもの妻をもつアンソニーという名の三流役者だと知った…

【悲報】全国ネットで「小さい女の子と成人男性という組み合わせは犯罪を疑え」と呼びかけられる事案が発生

倉敷市で起きた小学5年の女子児童が行方不明になっていた事件で、19日に児童は無事保護され、男が逮捕された。 胸をなで下ろす結果となったが、このニュースに関してテレビ番組で「だめんず・うぉ〜か〜」でお馴染みの自称漫画家・倉田真由美(通称くらたま)…

【書評】孤独死のリアル/結城康博

孤独死のリアル (講談社現代新書)作者: 結城康博出版社/メーカー: 講談社発売日: 2014/05/16メディア: 新書この商品を含むブログ (4件) を見る 内容紹介 2015年には独り暮らし高齢者600万人、「最期は家で独りで」の時代が始まる。そのために知っておきたい…

【書評】ちょいブスの時代/常見陽平

ちょいブスの時代 ~仕事と恋愛の革命的変化 (宝島社新書)作者: 常見陽平出版社/メーカー: 宝島社発売日: 2013/07/10メディア: 新書この商品を含むブログを見る 内容(「BOOK」データベースより) 同じ能力でも美人が優遇され、ブスは割を食う―ところが昨今は…

「職歴なし還暦ニートの俺、失ったものの大きさに涙が止まらない」というスレを読んで

凄いスレを開いてしまったという印象。 職歴なし還暦ニートの俺、失ったものの大きさに涙が止まらないスレをたてた人物は、18歳から親元でニート生活に入り、42年間テレビやネットなどのメディアに触れながら、食べては寝ての生活を続けてきたという。還暦を…

記事が釣りかどうかという歪なノリ

はてなの匿名掲示板、通称・増田での以下の記事について、賛否が分かれている。 強姦されて分かったことを書く「大した金も持ち歩いてないし飲んで酔って外で寝ていたら強姦された」という投稿主は、その経験から「分かったこと」3つを記し、4つ目として自身…

【映画評】「アナ雪」に続く脱ヘテロセクシズム「マレフィセント」

最近、この予告編における「ウェールウェル」の"呪い"にとり憑かれてしまい、ついつい見てきてしまった。日本語訳だと「おやおや」となり、これはこれで故滝口順平さんの座を脅かすのではという危惧もあるが、ディズニー映画「眠れる森の美女」のリメイク。 …

【続報】産経のささやかな親切心とそれでも増殖し続けるSTAP論文騒動の「誤報」

5月に書いたこれ。 小保方氏騒動でみたネットならではの「誤報」まだ小保方さんが時の人としてもてはやされていたころの産経新聞による記事が、彼女に疑惑が向き、STAP細胞の存在そのものに疑義が挟まれた後に、あたかも最新情報のように出回っていた。 未だ…

映画「トランセンデンス」……夢もなければ畏怖もないSFなんていらない!!

トランセンデンス [Blu-ray]出版社/メーカー: ポニーキャニオン発売日: 2014/12/02メディア: Blu-rayこの商品を含むブログ (8件) を見る 世界初の人工知能PINN(ピン)を研究開発するコンピューター科学者のウィル・キャスター(ジョニー・デップ)とその妻…

15歳、アルマの恋愛妄想

15歳、アルマの恋愛妄想 (字幕版)発売日: 2014/07/09メディア: Amazonビデオこの商品を含むブログ (1件) を見る 北欧ノルウェーの渓谷にある小さな町を舞台に、性欲をもてあますちょっとおませな15歳の少女アルマとその妄想が繰り広げるドタバタ劇。風光明…

声というメディア/身体についての一考察「her/世界でひとつの彼女」

先月、チューリングテストで史上初の合格者が出たと報じられ、直後にその合格に識者から疑問符がつけられたが、人工知能はいまだわれわれ人類の胸をときめかす題材である。本作『her』は、人工知能を持ったしゃべるOSサマンサ(スカーレット・ヨハンソン)と、…