- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2011/01/28
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ぼくの初恋、とりわけ外タレの初恋が誰だったかははっきりしている。それは「アダムス・ファミリー」でウェンズデーを演じたクリスティーナ・リッチである。
その後の彼女のキャリアについては……まあなんとも評しがたいもので、マコーレ・カルキンみたいにファンを絶望させることはないが、地味である。どこか安達祐実のキャリアに似ているところがあって、どちらも強烈な童顔が、その後のキャリアの足を引っ張っている気がする。
と、そんな脇道からスタートしたような文章だが、本作はリッチ主演のミステリーである。共演にはリーアム・ニーソン。
教師のアンナは、婚約者のポールの出張に伴い、プロポーズを受けた。しかしその矢先、交通事故にあって死んでしまう。目覚めたとき、彼女は葬儀屋の屋敷に横たわっていた。アンナの肉体は死んだにもかかわらず、彼女の魂はまだ地上をさまよっているのだ…!!
このあたりに、リッチをキャスティングした意味があると思う。彼女はいわば「アンデッド」となるのだが、それはまさしくアダムス・ファミリーのころの彼女に求められたものとまんま同じなのである。裏を返せばそれは、彼女は未だにウェンズデーに引きずられているということかもしれないが。
面白そうではあるが、これがなんとも盛り上がらないのである。とりあえずニーソン演じる葬儀屋のおっさんにリッチが監禁されるのである。ニーソンは自分には死者と対話できてしまう能力があるといい、生者の世界へのアンナの未練を断ち切ろうとする。
リッチは自分が死んだことが信じられず、ニーソンにつっかかるのだが、ここでニーソンが「お前は自分の生が意味のあるものだと思い込んでいる!」と謎の逆ギレを見せるのである。
これだけでも理不尽だが、なんとここでリッチがこの逆ギレにシュンとなり、自分が死んだことにあっさり納得するのである。いやいや、自分が死んでいるって確信は、もっと説得力いるんじゃね?
で、案の定、リッチは実は生きていて、死んでいると思い込まされていただけなのである。そんなアホな。
クリスティーナ・リッチは全編で体当たりな演技をみせ、いくどとなくB地区を見せているのだが、正直いうと「脱ぎ損」の3文字に収束してしまいそうな一品である。