いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【書評】セックスエリート気取りの金融×学系男子は加藤鷹著『エリートセックス』を読んで恥じて、そして逝け!

 

エリートセックス (幻冬舎新書)

エリートセックス (幻冬舎新書)

 

 

6000人である。年間の自殺者の数ではない。我らがザ・セックス・マスター、AV男優の加藤鷹が、これまで抱いてきた女の数だ(初版が2007年であり、今ではさらに人数が増えているはずだ)。本書は、これまでにも数冊の著作がある鷹さんが、幻冬舎新書のために書き下ろした新作。あとがきによれば、この出版の前年に愛車が運転中に原因不明の爆発炎上を起こしたという。人生の節目に大きな交通事故に巻き込まれるという著者(お祓いに行った方がいいと思う)は、本書もその節目の本と位置付けている。

 

読んでみると、本書のタイトルでもある「エリートセックス」とは、きわめてアイロニカル(分裂した)な概念であることがわかる。鷹さんに言わせれば、「自分はテクニシャンだ」という"エリート意識"をもつことはタブーであり、セックスにはいつも感じるまま、思うがままに臨め、という。いつまでも初心を忘れず女の子に「セックスをさせてもらっている」意識で下手に出ながらことに臨むのが、彼の言う「エリートセックス」なのだ。

 

だから、6000人斬りの鷹さんが斬って捨てるのは、自分がテクニシャンであると踏ん反り返る男、女に対して「イカさせてやっている」という上から目線でいる男だ。鷹さんに言わせれば、そうした者こそ実はセックスを下手であるという。たしかにそういうやつって、女性からの「痛い」とかいうフィードバックを無視してそう! ヒットレシオがどうとかほざきながら入れて出しゃいいと思ってるそこのお前だぞ、金融×学系男子!

 

ただ、「テクニックに走るな」というのはこの手のハウツー本ではよく見聞きする話で、ありふれている。この本の重要性は、そういった「考えるな。感じろ!」の教えに、AV男優界のリー先生からお墨付きをもらったところだろう。女の子にのしかかって腰振っておきゃいいと思い込んでいる金融×学系男子は、この本を読み、これまでのセックスを恥じ入り、自身のナニを切り落とすことを切に願う。その際、手持ちの藤×数希の著書を火にくべて暖をとることを忘れぬように。