70年代から90年代にかけて、実際に米ボストンで起きたFBI捜査官とギャングの癒着を描くクライム・サスペンス。ジョニーデップがギャングのボスを演じ、その弟をベネディクト・カンバーバッチ、幼なじみのFBI捜査官をジョエル・エドガートンが演じる。
ボストンの貧困層の子どもたちのその後を描いているといえば、クリント・イーストウッド「ミスティック・リバー」を思い出します。奇しくもこの映画には、同作と同じFBI捜査官になったケヴィン・ベーコンが出演している。
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それから、ベン・アフレック監督・主演の「ザ・タウン」も、同じボストンが舞台です。
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あの映画は、犯罪家業から足を洗い、真っ当に生きていこうとする主人公と、それを許そうとしないボストンという街の対立軸がありました。生まれが貧しいことから手を染めた犯罪。悪さをした昔のよしみが、大人になった後も逃れ難く当人たちに刻印される、という状況は、今作とも共通する。
ただ、今作。うーん……。悪くはないんですが、ことの成り行きが非常に単純なのです。エドガートン演じるキャリア捜査官ジョンがボストンに帰ってくる。彼が目をつけたのは、幼なじみのデップ演じるジミーを、別の大物マフィアを壊滅させるための「情報屋」として雇い、自由に泳がせることでした。
しかし、ある種免罪されたことによって、あろうことかジミーの組織はその規模を肥大化させていってしまう。ジョンもその肥大化に加担するのです。
剥強面ジョニー・デップの存在感はすごいものがありますが、ぼくは見ていてFBIが無能すぎるだろ! としか思えませんでした。ジミーを情報屋として雇っているのに、一向に成果がでない。そのことに、ベーコン演じる上司がヤキモキしてその都度キレますが、ジョンは全く応えておらず、のらりくらりと交わしてしまう。しかもそれが何年も続くのです。いやいや、そんなにFBIの指揮系統ってザルなのかい!と。
加えて、ポスター等のビジュアルでは、デップ、エドガートン、カンバーバッチの三すくみみたいなイメージを描きがちですが、実際はそうでもない。カンバーバッチは地味〜なところでピリリと効いてくるところはありますが、表面的な出尻は思いのほか少ない。
実話を基にした映画ですので、実際にそうだったからしかたないのかもしれませんが、観た後に俺でもFBIになれるんじゃね? とついつい思ってしまう映画だったのでした。