Border:1に続き、劇場で観てきた。
カルディスタン戦での軍事作戦において、保護難民の虐殺を指揮した罪でのソガ大佐の戦争裁判の判決が下されようとしていた。一方その前日、公安局で全システムが約1.8秒ダウンし、その間にロジコマ1機が何者かのハッキングに遭う。陸軍501隊からはれて独立した草薙素子少佐は、ロジコマを民間の調査期間に移送することになったが、その途中で謎の武装集団の襲撃に遭う……。
攻殻シリーズの「ゼロ」的なあつかいとなるシリーズ第2段。Border:1の最後で、ようやく荒巻によってリクルートされた素子が、今作では本格的に「公安9課」の設立に動く。バトー、イシカワ、サイトー、ボーマ、パズら馴染みの面々が、9課という味方以外の形で次々と事件に絡んでくる展開は、シリーズのファンなら燃えないわけがない。ストーリーも、Border:1よりだいぶシンプルになっているような気がする。一見で話のキモは掴めた。コーネリアスの音楽も、内容にくらべ間の抜けた感じはいなめないけど、ARISEシリーズとはもはや切っても切り離せないものになっている。
ただ、苦言を呈したいところがないわけでもない。ここからややネタバレなのだけれど、真相に関してはBorder:1とパターンが一緒かよ! というがっかり感は拭えず。早い話が結末は、前作と同様の「夢オチ」の亜種なのだ。電脳化した近未来というシリーズの設定上、それは仕方ないのかもしれないが、一方でテレビで何話も放映されたSACにはもうちょっと話のオチにパターンがあったという記憶もある。夢オチというのは、映像における「叙述トリック」みたいなところがあって、その上小説作品より簡単にできてしまうためか、知ったときのゲンナリ感がはんぱない。
もちろん、日本を代表するサイバーパンクのこのシリーズにおいて、話の結末なんて数ある魅力の一つにすぎない。ファンとして観ないでおくことはできないわけで、Border:3、4も劇場に足を運ぶのだろうと思う。