いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】マッド・ガンズ

資源が枯渇した近未来を舞台に、親子二代にわたる復讐劇を描いている。『ウォーム・ボディーズ』のニコラス・ホルト、『モールス』のコディ・スミット=マクフィー、『マレフィセント』のエル・ファニングら若手スターが共演し、『テイク・シェルター』のマイケル・シャノンが脇をぐっと固める陣容。


舞台は見ているだけで喉が渇いてきそうなカラッカラの荒野で、世界観も含めて「マッド・マックス」を踏襲しているのは明白だろう(邦題はそこに着想を得ている?)。
けれど、本家に比べるとかなり地味な話である。冒頭こそガンアクションはあるが、あとは基本的には水ないなぁ辛いなぁ、ひもじいなぁ辛いなぁの世界で、観ているこっちまで辛くなってくる。思えば「マッド・マックス」は、メル・ギブソンらマッチョな登場人物がハイテンションを維持することで、とりあえず目先の飢えや渇きから逃避していたのだろう、たぶん。

また、起こる問題もこれまた地味なのである。シャノンが演じるオヤジとマクフィーが演じる息子は慎ましくも行商をやっている。彼らのロバが死んでしまい、代替品として競り落とした4足歩行の不思議なマシンをめぐり、親父が何者かに殺されるのである。観ていて、ああ、これは時代を変えた西部劇なのだと理解した。で、この親父の死に方が、これまたなんとも言えない地味なもので……。

『マッド・マックス』的な容赦無い世界観に、展開がついていけていないというのだろうか。地味な内容で、なんとも中途半端な後味である。ただ、シャノンを除く出演者らがとにかく若々しく、みずみずしい。そこについては、劇中の地球とは裏腹に希望に満ち溢れている。