【映画評】ミスターGO！

出版社/メーカー: ギャガ
発売日: 2015/01/06
メディア: Blu-ray
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おそらくぼくが渋谷シネマライズにJGLの『ドン・ジョン』を観に行ったときだったと思うが、この映画の予告編が流れて「（良くも悪くも）なんてバカバカしいんだ」と吹き出してしまったのを記憶している。ローランドゴリラのリンリンが、所属するサーカスの財政を立て直すために、飼い主のサーカス団長の少女リンリンとともに韓国野球に殴りこみをかけるストーリーだ。

今回実際に本編を観てみたのだが、予告編を見たときに吹き出した「（良くも悪くも）なんてバカバカしいんだ」という感覚を超えることはできなかった。
まず、再生する前にディスクをみてギョッとしたが、本編が132分もあるのである。長すぎるだろ。90分くらいでパパパっと終わるものだと思っていた。

132分にもなるのは、人間同士のパートが異様に長く、込み入っているからである。ぼくを含め観客はゴリラが野球をやるっていうので観ているのだから、もっとゴリラに野球をさせろよゴリラに。

それに、ゴリラが野球をやること自体がそもそも荒唐無稽なのだから、そこを人間ドラマで埋められてもこっちは感情移入なんてできやしない。この映画はなぜかオダギリジョーまで引っ張り出してきて、キャストが妙に豪華だが、その意図もよくわからない。ちなみに、日本のプロ野球で巨人のライバルとして中日を出すのである。そこは普通阪神だろ。

そんなこんなで、映画自体はリンリンがバックスクリーンに突き刺すホームラン級の快作とはいえず、よくてポップフライといったところだろうか。