インド映画というと「ド派手な装飾にミュージカル!」というイメージで、近年では『バーフバリ』シリーズが日本でもヒットしたが、本作『ロボット2.0』は、ロボットが活躍するバリバリVFXのバリバリSFである。
しかし、「ああ、インド人がハリウッド映画パクって、今度はロボット映画ですか」などとたかをくくていたら損をするだろう。『ロボット2.0』は、アメリカ映画や邦画のVFXによって飼いならされたわれわれ日本人の想像力を熱々のナンで往復ビンタしてくるような衝撃を残す、奇妙キテレツな光景の連続、想像力の暴力が繰り広げられるのだ。
異常に長いタイトルロールや、ストーリーのとっかかりになるスマホが奪われていくシーンの異常な長さなど、冒頭から早くも「異常」の宝庫なのだが、「この映画、やっぱり変だ!」と思わされるのは、なんといっても「巨大な鳥」のシーンだろう。「なぜ“それ”で鳥を作った?」という疑問符が頭の中に何個も点灯するのだが、そんなことはお構いなしに映画は進む。
もっとも、この鳥の表象には、意外とゴツメの政治的メッセージ性が隠されているのだが…。
凶暴なイマジネーションと、想像を超える展開のフルコンボセットで観客がぐったりしたところで、最後にお待ちかねのミュージカルシーン。これがまた豪華絢爛なのだが、本編といっさい関係ねえ! というツッコミどころがまた素晴らしい。
タイトルから察するとおり続編なのだが、前作は予習しなくていいから(というか予習する意味があまりない!)、とりあえず劇場に行ってほしい、とりあえず衝撃を受けてほしい、という案件である。
アメリカと日本の映画を隔てている壁が「資金力」の1枚だとすれば、インドと日本の間にはもう1枚、「想像力」というものがあることを痛感させられる一作である。
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