いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】フィフス・ウェイブ


順調に中日・森野将彦化をとげつつあるクロエ・グレース・モレッツ最新作。

空の上に巨大な宇宙船が飛来し、人類が滅亡の危機を迎えるカタストロフィものです。でっかい宇宙船がポワーンと浮かんでいる様子はエメリッヒの「インディペンデンス・デイ」や「第9地区」を彷彿とさせます。タイトルの「フィフス・ウェイブ」とは、「第5の波」の意。飛来した何者かは、人類に対して5種類の別種の「波」を繰り出し、追い込んでいきます。クロエが演じるのは、両親を失い、たったひとりの弟を守ろうとする勇敢なJKです。

クロエ・グレースを主演に迎えていることもあり、ただたんにSFというだけでなく、ティーンの恋愛もの的な要素も組み込んでいる。本作でクロエは、ひ弱そうだけどアメフト部キャプテンの同級生、野性味あふれるけど電子工学科卒の理系男子、というふたりのギャップ萌え男子の間で右往左往します。

第4の「波」で、ついにやつらが人間の中に紛れ混んでいることに! 人間側は、子どもを徴兵して人間のふりをした彼らを討伐する計画に乗り出します。人間のフリをして宇宙人が紛れ込んでいる、なんていうのも、今まで幾度となく繰り返されてきた話でありますが、この映画ではもう一捻り加え、意外な展開が待っています。

しかし、制作費の問題なのか、話のスケール感が上手く伝えられていないように思える。最初のほうこそ、世界全土が大ピンチでっせと景気よくやってはいましたが、次第にトーンダウンしていき、最後には一つの基地の中での話に終わっている。世界どうなった? 騒動のきっかけになった浮遊する巨大宇宙船についても、途中からほとんド出てきません。

そしてなにより、あのクライマックスはあんまりではないでしょうか? 続編を作るつもりなのかもしれません(「俺達の戦いはつづく!」的なエンディング)が、それにしても中ボスを倒すぐらいの描写があてもいいのではないでしょうか? カタルシスがないし、絵的に締りがなさすぎです。

けれど、最終的に満足なのはクロエ・グレースに戻ってくるのですが、彼女のスタイルが最高に悪いのですね。20代にしてオバサン体型となっている。それがいいのです! 親しみやすい! というわけで、最終的に観終わっても満足感がないわけではないのでした。