「男の風上にも置けない」という言葉がある。自分もそれに該当する恐れがあるため、個人的には普段あまりつかわないが、それに該当する男をみつけた。
松方弘樹か誰かの息子に仁科なにがしというのがいて、そいつを今週あたりからちょいちょいテレビでみかける。彼である。
すでに周知のとおり、この男は同棲していた女性タレントに自宅での浮気現場をみられ、破局に至ったのだ。ことに至ったかどうかで彼はセコい弁明をしているが、同棲の現場に連れ込んだ時点で、アウトだろう。
ここで浮気についてはとやかくいわない。矢口真里の不倫についても、個人的には世間が思っているほど反感をもっていない。しちゃったものはしかたない。ただ、結婚には向かない女性なのかな、と思ったが。
浮気そのものをどうこういいたいのではなく、問題は浮気した側のこの仁科なにがしがノコノコとテレビに出て、ことの詳細を語っていることだ。この点に関して、公の場から姿を消した矢口の方がまだ潔い。
ぶっちゃけた話、この仁科なにがしというのは、芸能界的にはいてもいなくてもいい存在である。親のコネでテレビに出ているだけで、だれでも代替可能である。そんな彼を、ミヤネ屋などが中継までして出演させるのは、彼自身に出演させるメリットがあるわけではない。彼が浮気を彼女にバレたしょーもない男だ、という事実ただ一点のみにおいてなのである。これが驚異的にダサい。
「女遊びは芸の肥やし」という古い言葉がある。男の下半身のダラシなさを言い訳する言葉であり、まさに彼の父親、松方弘樹に当てはまりそうな言葉だ。
だが、後にその肥しで成った芸事によって大成し、飯を食えるようになったなら、辛うじて聞き入れられる言い分だ。しかしこの仁科なにがしはそんな生易しいものではない。肥やしそのものをウマいウマいと食っているのである。この節操のなさたるや!
一部週刊誌は、状況からしてこの仁科なにがし本人が浮気がバレたことをリークして、話題作りをしているという説を唱えている。
そうだとしたらクソすぎるが、もしリーク元が別にあるとしても、公の場に出てきてヘラヘラしている姿には、プライドねーのかよと思う。「高プライド」男も痛いが、プライドがなさ過ぎるのは語るに落ちる。何よりもかわいそうなのは、浮気された側の女性である。
出演させる側は出演させる側で、こんな男を取り上げるなら、キー局を出禁になったとされる岡本夏生を出すべきである。
「職業に貴賤はない」と思いたい。いや、思いたかった。しかし、彼のような「職業」を目の当たりにするにつけ、どうもそうではないらしいと首を傾げざるをえないのである。