コスプレの中でも、突出して肌の露出度が高くセクシーな部類のそれがある。
ここでは都合、「過激なコスプレ」と呼んでおこう。
昨年末に行われていた冬コミのコスプレ会場でも散見された。
http://matome.naver.jp/odai/2135683235746235301
この過激なコスプレというのはおもしろい。というのも、それがコスプレのジャンルの中でも逆説的な存在に見えるからだ。
コスプレとは本来、衣装などによってキャラクターに扮することだ。けれど、彼らというか彼女らのコスプレは、その衣装をどんどん脱いでいっている方向にあるからだ。彼女らのコスチュームの表面積は極端に少ない。けれどそれは立派なコスプレなのだ。
これは、コスプレと着ぐるみの違いなのかもしれない。着ぐるみは身体のほぼ全体を覆い隠すものだ。そこから地肌が見えることは基本的にあってはならない。
けれどコスプレはそうではない。コスプレはまず顔を出してもOKだ。そして、観る者から「かわいい」や「似合っている」と賞賛されるとき、その評価はどちらかというとキャラクターではなく、レイヤーの側に帰属する。
そういう意味で、「過激なコスプレ」というのはコスプレという不思議な文化における"極北“といえるのかもしれない。あるキャラクターのコスプレをするとき、レイヤーの胸、くびれ、お尻、ふとももまでもが、コスプレになっているのだ。極端な話、永井豪「けっこう仮面」のコスプレだって、全裸である前にコスプレだと言い張れる。
この現象について、けしからんでも、もっとやれでもなく、ぼくは純粋に好奇心をかき立てられる。
ところで、そんな過激なコスプレなのだけれど、彼女たちがなぜそれをするにいたったのか、過激なコスプレをするにいたったプロセスにも興味を引かれる。
考えられる仮説は4つある。
仮説1、コスプレしたいキャラクターの露出が多いから
マンガやアニメだからこそ違和感ないが、露出が極端に多いキャラクターというのは存在する。そういうキャラクターのコスをするとなると、肌の露出が多くなるのも当然だ。
仮説2、厚着のコスプレは暑苦しいから
冬コミでビキニの人がいた。却下。
仮説3、普段できないからこそ露出したい
ハレの舞台という言葉があるが、コミケやコスパというのは、日常ではできない露出度の高いかっこうをしたいという人の願望を叶える為にある空間なのかもしれない。
その4、サービス精神から
コスプレは他人に観られるためにこそやるという側面がある。そして、レイヤーと対の関係になっているのが、彼女らを撮影するカメラ小僧(通称カメコ)の存在だ。その昔、秋葉原で逮捕された“永遠の22歳“沢本あすかさん(34)の事例があるが、カメコのみなさんへのサービス精神から、露出度が上がっていったという事も考えられる。
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ぼくの周りにもコスプレを楽しむ人はいる。が、さすがにコミケにコスプレ参戦するほど熱心な人はおらず、ましてや過激なコスプレなんてしている人は皆無だ(ぼくが知っている限りで、だが)。
だから、そういう人がいたらぜひ話を聞いてみたいものだ。