いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

カルトにダマされない大学生を増やすたった一つの方法

それは、論理的思考を養える学内サークルに入ることだ。
吐いた回数を競う“飲みサー”みたいなのだけが大学のサークルだと勘違いしている新入生がいるなら、ぜひともそんなサークルに入って上級生から論理的にボコボコにされてもらいたい。
そんなサークルがあるのか?
それがある。
単刀直入にいえば、それはビジネスサークルのことだ。
最近、ビジネスサークルに所属する知人女性に聞いた話によると、そうしたサークルに所属することには、「履歴書の空白を一つ消せる」というメリット以外にもう一つ、もっと本質的なある効用があるんだそうだ。
それこそが冒頭に書いた批判意識、論理的思考を養えるという効用だ。


ビジネスサークルの目的は、当たり前だがビジネスプランを立てることだ。
ビジネスプランといえば、アイデア一本勝負なのかと思われがちだが、そんなことはない。
そのアイデアをプランにするために、事業計画書と財務諸表というものを組み立てなくてはならない。
前者がビジネスのスケジュールとすれば、後者がビジネスの設計図と表現できるだろう。
これら二つを組み立てた上で、さらにそれを他のメンバーに向けてプレゼンするのだが、その段になって数々のツッコミを受けるという。
そのツッコミをかわすためには、なによりもそのビジネスプランを論理的に整合性のとれたものに仕上げなければならない。あらかじめ自分のプランの論理に空いた穴をつぶしていかなければならないのだ。サークル活動としてそういうことを常日頃から考えていると、知らず知らずのうちに論理的思考力が血肉化されるんだそうだ。

人間、論理的に思考をしようと思えばできるものだ。しかし、血肉化するというのは「しようと思ってする」ことではない。「気づいたらしている」という域にまで達することをいう。


そんなビジネスサークルの中で常日頃からもまれている人間にすれば、たとえば学内でカルトの勧誘に声をかけられても、「ん?その論理は通ってなくないですか?」「え?それは手段が目的化してないですか?」と次から次へとツッコミが頭の中に生まれてくる。要するに、話が「穴だらけ」で真面目に話を聞く気にもならないんだそうだ。
オウム真理教が社会問題化した際、「局所最適、全体崩壊」という言葉が流行った。全体を俯瞰してみればおかしいことに気づくはずなのに、部分部分が正しい(ようにみえる)のでダマされた、というのだ。先ほど書いたとおり、ビジネスサークルでは事業計画書と財務諸表を練ることになる。前者で時系列の全体像、後者で構造の全体像を俯瞰する視点が養われていくため、こうした落とし穴にもはまらないだろう。


もちろん、自分の考えたことを発表してそれにツッコミをいれられるという経験は、大学の通常のカリキュラムでも、例えばゼミがあればできるかもしれない。しかし講義形式の授業を受けているだけでは、なかなかできない経験だ。ビジネスサークルでは、そんな得難い経験ができるというわけ。


ビジネスサークルというと、「学生の身分でビジネスなんかに手を出すのはちょっと…」と躊躇する人や、「意識の高い学生www」とバカにする人もいるかもしれない。
しかし聞いたところによると、ビジネスサークルにも2種類あるらしい。一つは、ビジネスを計画して実際にそれをもとに商いをおこすサークルだ。一般的にはこちらをイメージする人が多いと思うが、その一方で、一種の思考ゲームのようにビジネスプランだけを練り実行には移さない(移す気がない)サークルというのもあるんだそうだ。
前者が行動重視とすれば、後者は理論重視といえるだろう。
既存のビジネスサークルのイメージで敬遠しているという人は、後者のようなサークルを学内で見つけて入ればいいだろう。


最後に、
「え?大学ってそもそも論理的思考力を養う場所ではないですか?」
という至極まっとうな疑問を持ったそこのあなた。
その質問はなしだぜブラザー。