いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

話題のインド映画『ロボット』を観てきますた

日本で公開前から話題になっていたインド映画『ロボット』を観てきた。

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こんな感じの映画。

みうらじゅん水道橋博士いとうせいこうなどがコメントを寄せ、あるクラスタを狙い撃ちしたかのようなそのプロモーションのあざとさが鼻につくところもあるんだけど、それはそれでやはり気になったので観てみた。

感想は……例えるならばこんな感じ。
「インド人が愛したインドカリー!日本上陸!」という触れ込みで入ってきた本場インドのカレー。
インド人は美味い美味いと言って食うらしいけど、日本人からすればかな〜り癖のある味らしい。

怖いもの見たさで実際に食ってみた。


パクパクパク


(あ、あれ…普通に食える。        
てか、いつも食ってるバーモントと似てる…)


べつに「不味い」わけではない。
普通に食べれるし、むしろ「美味い」と思った箇所さえあった。
しかし、問題なのは「普通に食える」ことであり、何よりも「いつも食ってるバーモントと似てる」こと、なのだ。


ひと言で言えばこの映画、インド人が一生懸命がんばって、お金もかけて作ったハリウッド映画のサンプリングである。
博士の作ったロボット(というかヒューマノイド)がふとしたきっかけで感情持ってしまい大暴走……というストーリーも「どこかで聞いたことあるなぁ」というものなのだが、ターミネーターを中心にマトリックススターウォーズなど、あらゆるハリウッドのブロックバスター映画のギミックのパロディ(というかほとんどパクり)が散りばめられている。
ムトゥ 踊るマハラジャ』以来インド映画の代名詞ともいえるミュージカル部分は本作には挿入されるが、もろダフト・パンク、もろMJであって、われわれ日本人がイメージするあの首をクイクイっとやるインドの踊りっぽさ、「インド味」は脱臭されている。
考えてみれば、「ロボット」という題材自体が西洋に古くからある心身二元論の問題をその根元に持っているのだから、内容がこうなるのは予見できたのかもしれないが。

先にも書いたとおり、それらの「モノマネ」が下手だからよくないわけではない(日本映画がこれと同じことをやっても大事故を起こしている可能性大)。
むしろそれら「モノマネ」が、変な言い方になるが下手に上手くできているからこそ、期待していたわりにがっかりだし、印象に残らないのだ。


これは日本におけるプロモーションの問題でもあったのかもしれない。
スクリーンを観ながら、ああ、インドの人がハリウッド映画に憧れてがんばってがんばってそれに似せたものを作り上げたのに、日本の配給会社にまるでキワモノみたいな扱いで紹介されたんだと、なんだかいたたまれない気持ちになってきた。

しかしあからさまなパロディの連続を観ていくうちに、「アメリカ人(とその文化に親しんでいる者)って、こういうアホなの好きなんだろ?だろ?(ニヤニヤ」と、作り手側はむしろこの映画が描いているようなものからはある程度距離をとり、批評的なまなざしで撮っているのかもしれないとも思えてきて、それはそれで居心地が悪くなってくる。結局のところその真意はわからないのだが。

クライマックスのロボットでスイミーやってるところなどはたしかに圧巻だし、それからなんといっても大注目なのは「虫」のくだりだ。
この映画のトーンの中で、あの「虫」のシーンだけは異常なまでの異物感を放っていて、たしかにインパクトがあった。
ただし、圧倒的な「トンデモ」を期待して観に行くと、少々肩透かしにあうかもしれない。