いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】あと1センチの恋


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男女関係というのは難しいもので、一度親友あるいはきょうだいレベルの友情が芽生えてしまうと、なかなかそれ以上の仲には発展しにくいもの。ましてや幼馴染なんてもってのほかです。
かつて「出会って3か月以内に勝負を決めないと難しいぞ」と主張したブロガーがいました。実際に一度親しくなってしまうと、インセスト的なものに対する生理的な嫌悪感、あるいはインセスト的なものへの罪悪感から、セクシャルな気持ちに蓋をしてしまうパターンは少なくないよう。

本作『あと1センチの恋』は、ロージーとアレックスという男児の親友を描くラブコメであります。些細なすれ違いやちっぽけなプライド、見栄もあって、おたがい別の異性と「卒業」してしまったふたり。
さあそこからが大変です。映画はあの手この手を使ってふたりをすれ違いさせ続けます。どこまで遠回りするんだと。ロージーちゃんなんて遠回りしすぎて途中で別の男との子どもまで作っちゃう。それくらいすれ違いまくる。
そのあたりを鑑賞者はヤキモキしたりキュンキュンしたりニヤニヤしたりして楽しむわけですね。

ブコメの王道といえばそれまでですが、我々はそれが観たいから飽きもせずまたラブコメに手を出してしまうのです。開始1分で永遠の愛を誓われたって嫌でしょ? あらゆるラブコメは恋の成就の遅延でなりたっているのです。
要所でかかるポップスもいい感じ。ぼくたちはいつになったらラブコメで「Suddenly I See」が鳴るとテンション上がってしまう病から卒業できるのでしょうか。

言えそうで言えない、やれそうでやれないの連続。てなストーリーなもんですから、周囲の人間は振り回されっぱなしですし、そこに対するエクスキューズもほとんどない。ここまでくるともう潔いほどですよ。
けれど、それをとっつかまえてツッコミを入れるのも野暮ってもの。万人を幸せにする愛なんて存在しないですし、あったとしたらそんな味気ないものないでしょう。