
- 作者: カザマアヤミ
- 出版社/メーカー: 双葉社
- 発売日: 2014/05/21
- メディア: 単行本(ソフトカバー)
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交際経験ゼロから一気に結婚までもっていった少女漫画家の自伝(?)的エッセイ漫画。少女漫画純粋培養コミュ障著者が一人暮らしのさみしさから一念発起。デート、セックス、プロポーズというリア充的儀式をつぎつぎとジェットコースターに乗るがごとく体験していきます。
いやあ、面白い。こういう人材の何が面白いって、よくも悪くも「ちょうどよい按配」を知らないってことだと思うんです。常人(?)からすれば「そこすんなりクリアしろよ」っていう場面でウジウジしてしまうことがある反面、「え、そこはもっとステップ踏んでいこうよ…」というところを一足飛びで行ってしまう。しかも運よくなんとかなってしまう。
一番笑ったのは「男性の皮」と「アヘ顔」のくだりですね。ぼくは素直で可愛いなって思いましたが、出すとこに出せば相手の男性にドン引きされること待ったなし。そういう意味で、本当にいい旦那さん(というか同好の士)を捕まえたと思います。
この漫画、コミュ障とか非モテだとか自認する人にとって福音になると思うんですよね。経験がないことが武器になるってことも、あるということです。その経験のなさをうまく受け止めてくれる著者の旦那さんのような人がいてくれたなら。この本を読むとよくわかるのは、恋愛は「1P」ではないということ。あくまで「2P」なんです。
「いや、これは著者だからこそ起きた奇跡だよ」って否定されるかもしれませんが、その「奇跡」があなたに起きないとも限らない。どんなに不格好でも、どんなに常識からかけはなれていても、二人が幸せならばそれでいい。そんな恋愛、そして結婚の「正解のなさ」を教えてくれる漫画です。