パン食界の雄・ヤマザキがパンドラの箱を開けてしまった。メロンパンのカリカリしたあの皮だけを商品化する、というのだ。ネットで瞬く間に大ニュースになったが、いよいよ関東でも展開されるというので食べてみた。
前2回のグルメレポから大きくスケールダウンしたじゃねーか、と思うなかれ。こちとら新米食ブロガー、どんなネタにも食らいつく積極性が求められるのだ。
品薄という噂で、ネットではどこなら買えるかというライフハック的記事さえ出てくる始末だが、1店目で難なく買えた。なんなんだあの噂……。
なるほどたしかに、メロンパン風に砂糖がまぶされてある。
では、さっそく食べる。ムシャムシャムシャムシャムシャムシャムシャ……。
思い描いたとおりの……クッキーじゃねーか。
皮というには厚く、また湿り気がある。バターも効いていてまさにこれはメロンパン風クッキー。
約80円なので高いとは思わないしマズいとも言わないけれど、「メロンパンの皮だけが食える!!!」という期待で食べたらガッカリしそうである。
食べているうちにぼくは、メロンパンの内側の部分の偉大さを思い知った。普段ぼくらは、メロンパンの内側をないがしろにしている。あんなの味は薄いし、柔らかいだけじゃないかと。
けれどそうじゃない。ひかえめな甘さに、柔らかさが舌触りがいいし、なによりあの部分があるためにカリッとして甘い皮が嬉しいのではないか。そう、あの内側があってこその皮なのだ。
そのことにぼくは「メロンパンの皮」によって気づかされた。それはまるで、別れた後に恋人のかけがえのなさに気づく愚か者のように。
一緒にいるときは きゅうくつに思えるけど
やっと自由を手に入れた
ぼくはもっと淋しくなった
さよならと言った君の
気持ちはわからないけれど
いつもよりながめのいい
左に少し とまどってるよ
もし君に1つだけ 強がりを言えるのなら
もう恋なんてしないなんて 言わないよ 絶対
(作詞作曲・槇原敬之「もう恋なんてしない」より)

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買った商品で皮が多かったり少なかったりと気まぐれなのもメロンパン。
袋の中に残った皮をポテチ方式で口に流し込むのが楽しいのもメロンパン。
あんなメロンパン、こんなメロンパン。
そんなメロンパンの尊さに気づかせてくれたヤマザキの「メロンパンの皮」は、やはり偉大なのだった。