いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】ハイ・ライズ

超セレブなタワマン「ハイ・ライズ」の内部で起きる上層階と下層階の住民たちの対立をめぐるストーリー。
主演はトム・ヒドルストンで、新しく「ハイ・ライズ」に越してきた医学博士を演じています。日本では1980年に出版された同名SF小説が原作です。

世界観はおそらくアメリカンウェイ・オブ・ライフな50〜60年代ですが、明示はされない。むしろ、実年代からあえてかい離することで、どの時代にも通用する抽象的に格差社会を描こうとしている気がします。

それにしても話が進むのがおっそいのなんのって。最初のほうはトムヒドの胸筋をチラ見していたら時間が進みますが、それも限度がある。話が進まない。ダラダラダラダラ「ハイ・ライズ」の生活が描かれる。このあたり、テリー・ギリアム調ではありますが、だからといってギリアムの映画のように笑えるキッチュなギミックがあるわけでなし。わりと普通のタワマンです。
あるトラブルをきっかけにしてようやく、上層階と下層階の対立は顕在化する。そこから、文明人も薄皮一枚の下には野蛮が顔をのぞかせる、という話なのですが、それまでほとんど待たされていた状態のやっとかよ!という話です。

トムヒドの狂信的なファンでもないかぎり、鑑賞がかなり大変な作品だと思いました。