- 出版社/メーカー: ソニー・ピクチャーズエンタテインメント
- 発売日: 2009/12/23
- メディア: DVD
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新薬の開発に利用されていた大蛇アナコンダが研究所を逃げ出してしまう。科学者のアマンダは、ハーマット率いる駆除部隊とともに密林に逃げ込んだ大蛇の退治に向かうのだが…。
アナコンダシリーズ第三弾。前二作とのちがいは、子飼いのアナコンダに人類が手を噛まれたという「人類、自然のお叱りをくらうパターン」だということ。
あと、前二作に比べるとキャストが大所帯になっている。それに比例し、さまざまな立場の人間がからまりあい、やや複雑な(といってもそこまで複雑じゃーない)ストーリーへとなっている。
ではでは、増えたキャラクターを映画の側が統御できているかというと全然そうではなく、さまざまな立場、さまざまなキャラクターの登場人物が入り乱れたことで、おかしなことになっている場面が多々ある。
例えば、諸悪の根源といえる新薬開発を命令する大富豪、その秘書を務めるいかにもひ弱そうな男がいる。こいつがアナコンダ第一の犠牲者を目撃した際、義憤にかられて相手を助けようとして第三者に制止されるのだ。かなり勇敢ではないか。
ところが、その直後のシーンで、持ち場を離れて逃げ出そうとするなど、その場の中で一番臆病な性格になるのだ。情緒不安か!
このように、性格、目的、行動規範がコロコロ変わるキャラクターが何人もいる。
また、当初、大蛇駆除部隊は一枚岩ではない、という設定が提示される。ハーマットが遅れて来る前、手柄を横取りせんとするもうちょっと若手の副リーダーみたいなのが、勝手に部隊を動かして大蛇狩りに乗り出す。
で、この三下があっさりアナコンダに殺されるのである。そこに現れたハーマット、自分を出し抜こうとしたそいつの死体に何か皮肉でも言うのかと思ったら…スルーかよ! 漫才でいうとフリだけあってボケがないような。じゃあなんで最初に対立の図式を出したんだ…。
要するに、人数が増えたぶん、とっちらかった人間関係を製作者側が全然操縦できず、とっちらかったままにして終えるのだ。
あと気になったのは、クライマックス、実は敵だったハーネットが主人公に破れ、時限爆弾もろとも木っ端微塵となる。そのシーンの時限爆弾のカウントダウンがやたらと長いのである。
自分の寿命を刻む時計のカウントダウンを前に、恐怖で絶叫するハーネットのアップと、カウントダウンするデジタル液晶がカットバックで切り替わる…問題はそこが妙に長いことである。
ごめん…、あんまり彼が恐怖で叫ぶ間が長いから、ふつーにハーネット気の毒に思えてきた。そりゃ悪いやつではあったが、そんなちょっと悪ふざけみたいな殺し方しなくてよくね? と思ってしまう。
まあそんなこんなで、蛇がニョロニョロと動き回っているうちにからまってしまったかのように、自分で撒いた種を回収しきれずに終わる不完全燃焼感はある一作だ。