- 出版社/メーカー: 東宝
- 発売日: 2006/02/24
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園子温が歪んだ母娘を描く2004年の作品。ウィノナ・ライダーに似ている宮崎ますみが、熟女の肢体をこれでもかと見せている。それだけでも価値があるのだけど、この映画は主題も強烈で、ま、率直にいうと「親子丼」。
それだけでマジムリーという鑑賞者がいるかもしれないが、それを我慢しても自傷行為に人体加工、さらにはいわゆる「ダルマ」まで出てくるので、かなり強烈なフルコース。
ただ、そういう露悪趣味をこれでもかと繰り出してくるところが、逆にあざとくなってくるところもあるうけれど。
一方で、文字どおり一面血まみれの学校や、遊園地の霊柩車など、ありえない組み合わせは、あっと思わせられる映像的衝撃がある。
志茂田景樹似の父親がなっかなかのクズ野郎で、母娘に交互にフ×ックを強要する鬼畜ぶり。繰り返される親子丼に、母と娘の自我は溶解し、自他の区別がつかなくなっていくというのは、わりと現実の母娘問題で聞かれる現象なだけにたんなる創作とも割り切れない凄みがある。
途中まで陰惨な物語を作っておきながら、作者は「なんちゃって」とそれをいったんカッコに入れて、トボケてみせる。
一回目のそれにはたしかにストーリー上必要なもので、さらには終盤で展開されるサイコサスペンス的な真相にはなるほどと思わされた。
が、結末において「なんちゃってがなんちゃってなのかも???」と、その「カッコ外し」の連発でよくわかんなくなっていくところが残念。そこは正々堂々ピタッと着地し、落とし前をつけてほしかったところだ。