いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

「いいとも」後番組を視て

昨日の「笑っていいとも!」最終回、特番を視て、その流れでつい新番組「バイキング」も視てしまった。

だれもが嫌がるような「引き継ぎ」を受けたわけで、番組冒頭でも嫌が応なくその話題になってはいたけれど、新番組という意味以上の緊張感は、出演者からは伝わってこなかった。MCのTAKAHIROは、テンパっているのは伝わったけれど、上手くこなしているように見えた。ただ、加藤アナと仕切りが二極化していて、ややこしい。なんで素直に隣に並ばせないんだろう。
「いいとも」とのちがいを端的にいうと、STAP細胞の騒動をまじめに扱っていたことだろう。太田光が「佐村河内」と言うだけで湧くような空気ではない。話題のニュースや生活情報もあつかうそうで、ロケもあった。
「いいとも」に何十年も苦杯を嘗めてきた他局が何年も前からやっていることを、フジが慌ててマネしているような印象は拭えない。とりあえず、一億総白恥化の権化のような前番組とは、一線を化す姿勢がみてとれる。


この番組が32年も続くことはまずありえないだろうが、「いいとも」だってまさか32年続くとも、誰も思わなかったのだ。もし「バイキング」がつまらないという人がいたとしたら、その人は「いいとも」がつまらなかったことを、都合よく忘れているだけなんじゃないだろうか。
ぼくを含め「いいとも」最終回を惜しむ人々が、その具体的な功績について口をつぐむのは、あの番組にはむしろ自分が嫌悪するような軽薄でバカバカしい要素の部分の方が多いと、気づいているからではないか? 
「いいとも」がすごいのは、ただ長く続けたこと。それだけであり、けれどそれが何よりもとんでもなくすごいのだ。

では、なぜそこまで長く続いたかというと、これだけ多くの人が関わっている事象である以上、なによりも偶発的な要因の方が大きいだろう。ここぞとばかりにタモリの人徳や個性、芸風など個人的な気質を要因として分析する人がいるが、32年間続いたという事態において、タモリが一番すごいのは「辞める」と自分からは言わなかったこと、その一点に尽きる。
同じことをただ黙々と続けること。仕事も趣味も、ただその一点だけでも突き抜けたとき、どれだけすごいかを、「いいとも」は教えてくれた気がする。

32年間、タモリは「明日も視てくれるかな?」と視聴者に問い続けた。
けれども、忘れてはならないのは、タモリが毎日、毎週アルタに通い続けたことの方である。