いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

早期退職への相次ぐ批判に「そりゃ世界一有給がとりにくい国にもなるわ」と思ったです

教職員など公務員の早期退職の問題について、彼らを雇っている側にあたる人たちからも反応がきています。
神奈川県知事の黒岩さんは「退職金ということで、生徒たちを置き去りにし、ポイと辞めてしまうというのはやりきれない。生徒たちがかわいそうだ」と批判。
ヤンキー先生こと義家議員も、「子供達の今を取り残した、大人の都合で彼らへの教育を年度も押し迫った時期に放棄した、という事実は消えない」フェイスブックで怒り心頭に発しているご様子。「ただ、悲しいです。そして、ただ、申し訳ないです。子供たちに対して…」と、子どもたちのこと考えてますアピールも忘れません。
さらに、駆け込み退職するやつには感謝状なぞださねーぞという市長まで現れました。

退職の意向を示している同市立学校給食センターの女性栄養士について、「定年退職者に通常出している感謝状は出さず、市での再任用の希望があっても却下する」との意向を明らかにした。

http://www.yomiuri.co.jp/e-japan/hyogo/news/20130125-OYT8T00014.htm

この栄養士の方が勤続何年なのかはわかりませんが、それを度外視にしてこういうことを言い放つのって、あんまりじゃないでしょうか。
「70万〜80万円少ないことだけで」って……。「50万円が惜しくて」と言う片山さつき氏と同様に、この件では論者の金銭感覚が露骨に反映される傾向があります。
そして、この話題についてコメントを待たれていたであろう文科相の下村さんも、ついに「決して許されざる(ことだ)」と断罪し、慰留を求めるよう指示しているそうです。
http://news.livedoor.com/article/detail/7345105/


この問題については、すでに「1月末で辞めた方がお得という制度を設計した方が間違ってんじゃね?」と指摘をしました。
これに対して、今回の早期退職を批判している側の論理というのは、公務員の「矜持」(=プライド)だとか、そういう心情的なものばかりですよね。
でも、仕事をやめる権利は公務員であろうと与えられたものです。

ここで問題をわかりにくくしているのは、とくに教職員が、きわめて対人的な職業であるからなんじゃないでしょうか。「生徒たちがかわいそうだ」という言い方も、そういうところから来てるんでしょう。


職業を問わず、退職するときにもっとも重要となるのは、おそらく業務の引き継ぎです。
早期退職する方々が、その後の業務に滞りがないように引き継がれるならば、業務的には何も問題ないんじゃないでしょうか。生徒たちはさみしがるのかもしれませんけど、さみしがられるほど人気の先生なら、きっとそういうことをきちんとこなして去っていくのでしょう、ね。


今回、このように早期退職することにウダウダいわれるのを横目にするにつけて、そりゃ有給なんて消化できないよなーと思いました。

「同僚から否定的な見方をされる」と感じる傾向はアジア諸国でとくに顕著で、中でも主な理由として挙げているのは日本だけだった。また日本は「上司が有休に対して否定的である」と回答した割合も世界で4位であることから、日本の有休消化率の低さは人間関係に起因するところも大きいと考えられる。

世界の有給休暇消化率、日本はワースト1:日経ウーマンオンライン【トレンド(キャリア)】

こちらの調査で、日本での理由の1位は「経済的な余裕がない」なんですけど、2位にはやはり「同僚から否定的な見方をされる」がランクインしていて、これは世界でも稀なことのようです。
それから、「上司が有給に対して否定的である」とも。
「有給に対して否定的」な上司が、今回の早期退職者を批判する為政者らとかぶってみえるのは、はたしてぼくだけでしょうか、ね?