いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

「優しい虚報」は無実なのか

先日、こういう記事を目にした。

雰囲気最悪で退社続出の日テレ・アナウンス部を一変させた水卜アナの女子力とは - 女子アナマル秘ジャーナル - 連載コラム|週プレNEWS[週刊プレイボーイのニュースサイト]

民放でも特に厳しい雰囲気だったという日テレアナウンス部水卜麻美アナの開き始めた「ミト会」なる女子会によって雰囲気が改善した、という内容になっている。

若干先輩アナへのdisは入っているものの、基本的には水卜アナにまつわる「いい話」である。けれど、実はこの記事、水卜アナ本人に裏を取っておらず、基本的には匿名の「関係者」の証言によって構成されている。だから真っ赤なウソの可能性だってある。

もしこれがウソだとして……こうした「優しい虚報」について「いいじゃん、書かれた本人が傷つく内容じゃないんだから」といった擁護する向きもある。


けれど、はたして本当にそうなのか?


実は「優しい虚報」は、いわゆる醜聞の虚報よりたち悪い。

根も葉もない批判や醜聞の場合、本人がウソだと反論することは自分にとってポジティブな方向に流れを変えることになる。これは自然な流れである。

一方、「優しい虚報」については、周囲からの評価が上がってしまうため本人からすれば、その記事がウソだと訂正すること自体、相手をがっかりさせることになって心苦しくなってくるではないか。

冒頭の水卜アナの記事がウソだとは言えないが、もしウソだと仮定しよう。来年新卒で入ってくる女子アナが、喜び勇んで尊敬する水卜アナの率いる「ミト会」に参加しようとする。

そしてそこで、そんなものがはじめからなかったと知ったときのがっかり感は、相当ではないだろうか? さらにそのがっかり感は、若干水卜アナに対してのマイナス感情につながる恐れだってある。


結局、記事の対象の輪郭を意図的に捻じ曲げようとする記事は、美談であろうと醜聞であろうと、等しくクソだということだ。