暗殺教室 ★★★☆☆

- 作者: 松井優征
- 出版社/メーカー: 集英社
- 発売日: 2012/11/02
- メディア: コミック
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Twitterのタイムラインでちょくちょく話題に上がる一作。
担任教師を暗殺するため、日夜生徒らが暗殺技能の向上に切磋琢磨する「暗殺教室」――まるでこのアイデアから出発して、それのつじつまを合わせるために逆算的にストーリーを組み立てられていったようなマンガです。それだけ設定、状況がキテレツな一品。それだけに、話の真相で、とんでもなくガッカリさせられる危険性もありますが。
このマンガの一番の肝は、「健康的なさわやかな殺意」というものが存在しうるのかどうか、そして存在しうるとすればいかなるものか、という考察だと思うんですよね。そこは注目に値する。
あと一つ、このマンガで面白いのは、話の大筋はもう露骨なまでにセカイ系なんです。でもそれだけでなく、E(エンド)組という学校公認のスクールカーストをめぐる学園ドラマでもある。前者のセカイ系の中に後者の学園ドラマに包まれているという入れ子構造なんです。
でも、この入れ子構造が全然かみ合っていないんですよね。なんせE組の学園内での下克上と、殺せんせーの暗殺というのは、全く別物のベクトルのものですから。ここから先に、両者が上手くかみ合うような仕掛けがあるのかもしれないですが、どちらかというとぼくはその二つの相性の合わなさ、摩擦みたいなのをみてみたいなーと(2巻を読んだ時点での感想)。
坂本ですが? ★★★☆☆

- 作者: 佐野菜見
- 出版社/メーカー: エンターブレイン
- 発売日: 2013/01/15
- メディア: コミック
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誰もが魅了されてしまう優雅な高校生坂本くんの日常を描くギャグマンガ。
坂本くんの過度な振る舞い笑いを誘うわけですが、よくよく読み進めていくと、そこに一貫性がないことに気づくんです。いや、面白いのは面白いんですよ。反復横とびとか、無駄に高い熱量とか、やや島本和彦が入ったノリは嫌いではない。
ただ、坂本くんの生態自体に一貫性がないというか、不協和音があるのが気になります。それが意図したものなのかどうか。
こちらは、まだどっち方向に行こうとしているのかわからない危うさみたいなのがあって、次巻もキープですね。「出落ち」の可能性も捨てきれませんが(笑)