いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座、直毛によるブログ。今ここに、ポスト宮根誠司を目指すことを誓います。

【書評】女性経営者が明かす ラブホテルのぶっちゃけ話 / 阪井すみお・まお

女性経営者が明かす ラブホテルのぶっちゃけ話

女性経営者が明かす ラブホテルのぶっちゃけ話


「普通のOL」だった女性が知人の誘いでラブホテルの経営に乗り出し、日々味わっている苦労を綴ったルポタージュです。実際に経営しているのが「まお」さんで、彼女の話を文章にまとめたのが友だちでライターの「阪井」さんのようです。

当初、著者はラブホ経営が楽して儲かると思っていたとか。ぼく個人的には、「いやいや、経営の素人がいきなりラブホテルを切り盛りするなんて無茶だろ」と思っちゃいますが、案の定、苦労が耐えないようです。それは経営上の苦労ともうひとつ、ぶっ飛んだ客、ぶっ飛んだ従業員に対しての気苦労もあるようです。この前読んだソープランドで働いていた人の本でも思いましたけど、「性の現場」っていい意味でも悪い意味でもどこか変わった人が集まってくるようです。

惜しいと思ったのは、著者の「毒舌」です。これはたぶん「まお」さんでなく「阪井」さんによるものなのですが、その「毒舌」の筆致が実に心地よくないんですよね……。有吉の毒舌が人を楽しませる一方、ちまたの自称「毒舌注意」女子の毒舌がただただ不快なのと同じ理屈です。読者へのサービス精神であえて口悪くしている印象もありますが、必ずしもそれが「サービス」になっていない。この本だけを読んでいると、著者は仕事中いつもイライライライラしているように思えちゃいますが、ラブホテルなんて普段は我慢してる何かを発散するところなんですから。多少は大目に見てあげなよ、と思ってしまいました。


そんな感じで前半はモヤモヤが募りますが、面白かったのは後半で展開される経営の話です。
どんなジャンルであろうと、こうやったら失敗したけどこう直したら上手くいった、という商売の試行錯誤の話ってやっぱり面白い。
自分とバイトのおっさんのふたりだけでホテルを2週間まわした(!!!)オープン当初の話やら、リネン、アメニティの仕入れの話。それから、各部屋の管理を自動化することによって従業員をフロント業務から解放し、配膳と掃除だけにすればいいようにした、なんて話もなるほどと思わされる。
ちなみに、収益率がいいのは軽食なんかより断然「大人のおもちゃ」なんですって!奥さん!!


読み終えてみると、ラブホの経営事情の話自体は面白いんです。それだけに、他のところで足を引っ張っている感は否めない。巻末の同性愛についての物言いなんて、今どきこれでよく出版したなって思うほど酷いです。面白いだけに「惜しい本」なのでした。