毎週欠かさず聴いているABCラジオの番組『ダイアンのよなよな』2021年3月29日放送回で、歴史的事件の舞台裏が明かされていたので、半月が過ぎでしまったがここに書き留めておきたい。
「オリラジ生喧嘩事件」とは?
2007年8月のニッポン放送『オリエンタルラジオのオールナイト・ニッポン』の生放送にて勃発したオリラジ2人のガチ喧嘩のこと。番組中、『新世紀エヴァンゲリオン』の話題で、『エヴァ』オタクの中田敦彦が、あまり詳しくない相方・藤森慎吾に対して挑発を続け、次第にヒートアップ。「このやろう」「コラァ」という怒号が飛び交う中、最終的にガチのつかみ合いに発展したようで、マイクの拾った「ボゴッ、ボゴッ」というおよそ全国ネットのラジオには似つかわしくない不穏な音と、ゴングのSEと「オ~ルナイトニッポ~ン」というこの状況には全く不釣り合いなジングルでCMに切り替わる、という一連の流れだ。
コンビ名に「ラジオ」の名を持つ2人がラジオ上で巻き起こしたこの珍事は、お笑いファン、ラジオファンの間では常識で、もはやインターネット・ミームとかしている歴史的事象である。
当時の放送作家がなんと「よな月」リスナーだった!
3月22日の『よなよな』にて、ダイアンの津田がこの喧嘩のくだりが好きで、たびたびその音源を聴き返していることを告白。津田による「オリラジ生喧嘩」の迫真の1人完コピがおもしろいのと、「なぜ、14年もたって今?」というおかしみも合わせて、少なからぬ「よな月」リスナーを盛り上がらせていた。
そして、このプチ「オリラジ生喧嘩」リバイバルが、「よなよな」ファンのみならず、「オリラジの喧嘩」ファンも狂喜乱舞する奇跡を起こしたのが、3月29日の放送。
なんと、「オリラジが大喧嘩をしたあの瞬間、放送作家として2人の横に座っていた」というリスナーからのメールが届いたのだった。
以下、メールで記されている当時の舞台裏について、箇条書きで重要情報を記しておきたい。
・2人が喧嘩する予兆は数週間前からあった
・放送作家とディレクターで、生放送中に2人が険悪な雰囲気になったら「終了」という意味でゴングのSEを打ち、そのままCMに行くというルールを決めていた
・険悪になり始めてから聞こえる放送作家の「ははは」という笑い声は「今、放送中だよ」「喧嘩はなしだよ」という2人に対するメッセージのつもりだった
とくに「ゴング」と笑い声の情報は興味深い。
喧嘩の音源を聴き直してみると、「ゴング」のSE、そしてCMと、不測の事態への対処のスピードがやけに早く感じられるのだけど、これはもうそのときの対処法を裏方スタッフが決めていたことの功績が大きいのだろう。
また、笑い声については、一聞では「喧嘩がネタだと勘違いしているスタッフ」の声だとも読み取れるのだが、今回のメールで「2人をなだめようとするスタッフの必死のサイン」だったことが判明した。
とにもかくにも、14年の時を経て「オリラジの生喧嘩」の舞台裏が明かされ、「よなよな」リスナーのみならず、ラジオリスナーのめちゃくちゃテンションが上がった回なのだった。