いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

連休はこれ観とけ! Netflix・アマプラで観られる厳選映画8選【配信限定掘り出しもの編】

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前回のドキュメンタリー編に続き、今回は劇映画で掘り出し物を紹介したい。

アイリッシュマン』『マリッジ・ストーリー』『ROMA/ローマ』みたいにすでに世界的に評価されているもの、『ハーフ・オブ・イット: 面白いのはこれから』『シカゴ7裁判』『オールド・ガード』みたいにSNSで散々盛り上がったものは観ている前提で、紹介しませんよ。義務教育やないんやからね。『もう終わりにしよう。』は優れた考察ブログがあるからそちらへGO!

ということで、「有名ではないけどこれも面白いよ」というものを8本(10本以上は前回で懲りたのでやめます)をピックアップ。では行ってみましょう。

(1)「無音」という表現の可能性 『サウンド・オブ・メタル』【AP】

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~

サウンド・オブ・メタル ~聞こえるということ~

  • 発売日: 2020/12/04
  • メディア: Prime Video
 

ジェイク・ギレンホール『ナイト・クローラー』で悲惨な目に遭う助手を演じていたリズ・アーメッドが、ある日突然耳が聴こえなくなるメタルドラマーを好演する。
健聴者が突然聴こえなくことの恐怖、そして、ろう者コミュニティで最初に味わう孤独感を繊細に表現していく。主人公は埋め込み式の機器を使って再び聴こえるようになるけれど、そこにもまた別の「孤独」が待っている。

ラストシーンの「静寂」が、それまで彼が味わってきた辛い「無音」とまったく別物に感じられる不思議。映画にはまだ無限の可能性が隠されていると実感できる。

(2)『ゼロ・ダーク・サーティ』は嘘だった!  『ザ・レポート』【AP】

ザ・レポート

ザ・レポート

  • 発売日: 2019/11/15
  • メディア: Prime Video
 

オサマ・ビンラディン殺害に至るまでの経緯を、気の遠くなるような作業を通してアダム・ドライバー・演じる調査員が洗い直す。暴かれたのは、あまりにもずさんで、残虐な尋問プロセスだった。

印象的なのは、本作がCIAをヒーローとして描かれた『ゼロ・ダーク・サーティ』への反論となっていること。劇中には同作の映像も出てくる。当時、あの映画を観て感心してしまった人ほど観るべき一作。

(3)息子がいなくなった…緊迫の密室劇『アメリカの息子』【NF】

 ある夜、10代の息子が姿を消した――心配で警察署に母親が駆けつけたところから始まるサスペンス。

ブロードウェイ作品の映画化で、「警察署の待合室」というほぼ1シチュエーションで、息子の母、父、そして警察職員のほとんど3人の会話劇で進む。男/女、白人/黒人の違いから生まれてくる視点の違いが、息子の危機というスリリングな状況の中で、緊迫した口論を生んでいく。

(4)アニメの力、可能性を感じる『失くした体』【NF】

今年のオスカーの長編アニメ部門にノミネートされ、密かに応援していた。惜しくも受賞とはならなかったけれど、その表現力はぜひ多くの人に確認してもらいたい。ひと目見て、日本のアニメーションとは全く別の場所から生えてきた、ということを理解せざるを得ない表現力。ストーリーも独特で、どうやったらこういう話が思いつくんだろう? さらに、このストーリーの良さは、実写では出せないだろうとも感じる。「アニメにしかできないことがある」。アニメの力とその可能性に思いを馳せてしまう1作。

(5)ポン・ジュノが贈る“豚ファンタジー”『オクジャ okja』【NF】

工事畜産への批判を、“スーパーピッグ”というファンタジーを通して描く、『パラサイト 半地下の家族』のポン・ジュノによる『命の教室』。オクジャのかわいいのかグロいのかよくわからないのかわからなくなってくるビジュアルや、「ここ、笑っていいのか分からない(でもちょっと面白い)」というポン・ジュノ独特のブラックユーモアに溢れる1作。

(6)ダメ男が一世一代の大勝負『アンカット・ダイヤモンド』【NF】

エチオピアで掘り当てられたアンカット・ダイヤモンド。これさえ売れれば、これさえ売ることができれば、今まで何もいいことがなかった俺の人生、一発逆転ができる…。アダム・サンドラーが、借金まみれのマンハッタンの宝石商ハワードを熱演する。

本人のダメさと不運も相まって、予想通り取り引きがダメになりかけたところで、ついにハワードが彼女相手に泣き崩れるところは、否が応でも共感してしまう。アダム・サンドラーという俳優は、これまで個人的にピンとこない存在だったけれど、これが彼のベストアクトかもしれない。サイケデリックな音楽の趣味もいい。ふわふわした雰囲気で不思議な余韻を遺していくラストシーンも印象的。

(7)プレイする映画『ブラック・ミラー: バンダースナッチ』【NF】

ネトフリのオリジナルドラマシリーズ『ブラック・ミラー』のスピンオフ映画だが、本作の特異な点は、視聴者(プレイヤー?)が視聴中に主人公の選択を選ぶということ。

PS4の『Detroit become human』が「プレイするドラマ」だとしたら、本作は「鑑賞するゲーム」といえ、両者の距離が限りなく近くなっていることを感じるエポックメイキングな1作。

(8)タフなガンアクションが観たいならおすすめ『タイラー・レイク -命の奪還-』【NF】

マイティ・ソー”としては、近年コメディリリーフを担うことが多くなっているクリス・ヘムズワースが、久々に魅せてくれたガチガチのアクション映画。生きる意味を失った主人公が、誘拐された麻薬王の息子奪還のミッションを受ける「プライベート・ライアン in バングラディシュ」のような内容。

話は脳筋で単純明快だが、火薬の匂いがしてきそうなガンアクションがすごい。特に途中に出てくる擬似ワンショットの逃走&アクションシーンは圧巻で、ふと、アクションゲームのムービーシーンのような錯覚に囚われたのたけど、もしかして今、映画には「ゲームのような映像体験」が求められているのかもしれない。

 

いかがでしたか?

もちろん上記8作以外にも、ネトフリ・アマプラには配信限定の作品が気が遠くなるほどの数埋まっている。引き続き、網膜が摩耗してツルツルになるまで監視し、またここで報告したいと思う。