「なぜかと聞かれると『なんとなくスマホが気になるから』というのが正直なところですね……。映画って2時間じっとしているのが結構耐えられない。そんなに長い動画を観ることって普段ないので。YouTubeは長くても20分くらいじゃないですか? 本当に2時間ずっと面白ければスマホは見ないと思いますけど、映画って見なくても話がわかるシーンがあるから。そういう時間はLINEやTwitterをチェックした方が合理的な気がします」(Aさん)
たった2時間スマホを我慢できないなんて病気です。病院行ってください二度と出てこないでくださいありがとうございました、という感じである。
これを読んだときに思い出したのは、大学の講義だ。講義中、
出席をとるタイプの授業ならまだ分かる。ああ、
問題は、出席を取らないタイプの授業で、
映画上映中にまでわざわざやって来てスマホを開くやつは、出席を取らない授業で騒ぐやつらの理不尽さに似ている。
『カメ止め』監督、そりゃねえよ…
映画ファンや関係者の多くがSNSで怒っているこの話題だが、映画『カメラを止めるな!』
怒る気持ちもわかるけど「映画館来るな」「これだから若者は」「やれやれ」って切り捨てる人が大半でそれはそれでゾッとしてる…。俺はその若者を切り捨てたくはないな。その若者のスマホを閉じさせて映画を楽しませたる!って考えたい。https://t.co/JDwn457LCR
— 上田慎一郎 @映画「スペシャルアクターズ」公開中 (@shin0407) November 24, 2019
スマホなんて観てられなくなるような面白い映画を作ってやる――
しかし、こっちだって1900円払っているのである。「ゾッとしてる」じゃないよ。切り捨てたくなるのが普通である。今はダメでも、いつかは分かってくれる…では困るのだ。
以前にも書いたが、映画館で隣り合う客なんて完全な風景である。目障りか、そうでないかしかない。珍獣は「はずれクジ」
また、ここで取り上げられている若者はおそらくスマホ中毒者である。例えばマーシーが、沢尻エリカが、面白い映画を鑑賞していようと、ああ、一発打ちてえなと思うことは止められない。それと同じである。
「画面見なくても理解できる」という過信
話を戻す。記事中、地味に一番カチンときたのは以下の箇所だ。スマホを観てしまう理由として、
「映画って見なくても話がわかるシーンがあるから」
「スマホを見つつ、映画の内容を理解することもできます」
分かるわけねえから。
映画は、「約2時間、じっくり腰を据えて鑑賞すること」
スマホ中毒者らは、おそらく『カメ止め』の前半で見限ってスマホを開いてしまい、後半盛り上がってきたところも堪能できないだろう。なぜなら、前半を観ていないから。意味がなさそうなシーンにも、
それだけではない。映画には「観なければ分からないこと」
浅慮なやつにかぎって、「見なくても理解できる」
ちなみに、「画面を見なくても理解できる」のはむしろテレビドラマだ。テレビドラマが映画よりレベルが低いといいたいので
だから、「見ずに分かる」なんてありえない。
そういう子どもは頭がいいのではない。頭がいいように見えて、