いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

「世界をより良くするために仕方ないんだ!」 独善的な悪役って最高だよね

独善的な悪役って良いですよね。

世界を制服したるんや! とか、人類を破滅させたるんや! とか、人の迷惑を目的とする単純なバカより、「世界をより良くするために仕方ないんだ!」と悪を断交する悪役は、観ていて「お前はどこで間違ってしまったんや…!!」と悲しい気持ちになります。

正しいことをしようとしていたのに、どこかでボタンの掛け違いがあって、悪の道に堕ちていく。その存在自体に、独特の切なさがあります。

 

今日はそんな「世界をより良くするために仕方ないんだ!」系の悪役を3人紹介します。あくまでも直近の思いついた奴らです。

 

リッチモンド・ヴァレンタインさん(『キングスマン』より)

 

世界的なIT長者、ヴァレンタインさん。

ファッションのモデルはデフジャム創始者ラッセル・シモンズらしいですが、大金持ちになったら社会貢献活動に精を出す傾向がある海外セレブらしく、彼もまた「世界をより良くしたい」やつです。

しかし、その「世界」とは必ずしも「人間界」と同義ではありません。

彼にとっての「世界」とはまさしく地球であり、いま危機に瀕している地球のために、そうだ! 人類を減らせばいいじゃん! と思いつきます。 

ヴァレンタインさんは、人を凶暴にする怪電波が出る無料SIMを開発。全世界に無料でバラまき、中流貧困層に殺し合わせようと画策するのです。

あと寸前のところでキングスマンに阻まれたヴァレンタインさん。暴力と血が大の苦手ということで、最期は自分の流血を見てゲロはいて死ぬという体を張ったギャグを見せます。

 

オジマンディアスさん(『ウォッチメン』より)

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子どもはおろか、大人が観るのにも近現代史の予備知識がないと厳しいDC映画『ウォッチメン』からは、オジマンディアスさん。

人間離れしたスピードと頭脳を兼ね備えているオジマンディアスさんですが、彼の「より良き世界」を阻んでいるのは東西冷戦です。

いつ、どちらが核兵器のボタンを押すともわからない緊迫した状況。

そんな時代に、オジマンディアスさんはその明晰な頭脳でとんでもない計画を思いたってしまう。それは、自分の手で何千万人もの罪なき人々を虐殺し、さらにその罪を仲間の超人(Dr.マンハッタン)になすりつけることにより、人類共通の敵を作る、というものでした。虐殺を防ぐためにまず虐殺する。このコロンブスの卵的な発想で、彼の狙い通り東西の壁は崩れます。

 

オジマンディアスさんの手法は最低最悪ですが、映画はついにその解決策を超えるものを出さないまま終え、鑑賞者はなんとも気持ちが暗鬱となりますが、ある意味、リアルっちゃリアルです。

ウォッチメン (字幕版)
 

 

サノスさん(『アベンジャーズ/インフィニティ・ウォー』より)

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そして最後、今最も注目を集めているといえる「世界をより良くする」系悪役最右翼が、サノスさんです。

なにしろ、あのアベンジャーズをコテンパンにしてしまう。あまりに強すぎてアベンジャーズファンのヘイトを溜めて、アゴが小籠包みたいになってるくせにと陰口を叩かれているとかいないとか。

サノスさんも上の二人と同様に「より良き世界」を望んでいます。だから、サノスはヴィラン初のマーベル映画の主役だったんじゃないか、という説もあります。

そんなサノスさんの「良き世界」とは、調和が取れている世界のこと。そのために彼は、世界中の生き物を半分に減らす、と言い出します。

え、半分に減らせばバランスが保たれるの? そんな簡単なの? というツッコミはとりあえず脇に置いておいて、サノスさんはそれを達成。

『インフィニティ・ウォー』は最後、とんでもない終わり方をして、鑑賞者(≒マーベルファン≒アベンジャーズファン)の気持ちをどん底に落としてしまいます。

 

 

 

もちろん、このお三方だけでなく、「世界をより良くするために仕方ないんだ!」系の悪役はずーっと前からいっぱいいたわけである。

みんなで、思い思いの「世界をより良くするために仕方ないんだ!」系悪役に思いを馳せてみればいいんじゃないか。