いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】ジョン・ウィック:チャプター2


最強の“元”殺し屋、ジョン・ウィックが活躍する待望の続編。
前回、復讐のために闇の世界に舞い戻ったジョンでしたが、今回はその「代償」を支払うため、一路ローマへ飛びます。そこからはさあ大変。怒涛の「殺し合いの螺旋」へとなだれ込んでいきます。


結論からいいましょう。こんなに面白かった続編は久しぶりです。「ジョン・ウィック」そのものも充分面白かったですが、確実に越えてきました。続編で規模がスケールアップするのは常道ですが、今作についてはそのスケールアップの方向性がなによりもたまらなくいいのです。前作でも登場した謎めいた組織「コンチネンタル」。ジョンをはじめとする闇の住人の社交場兼道具屋的な趣のある組織ですが、今作ではさらに魅力的なディティール、奥行きがつけられています。

「うわあ、平穏な日常の背後にこんな闇の世界が広がっているとしたら、怖いなあ」と思いながらも、否が応でもひきつけられてしまうディティールです。

もちろんアクションも申し分ありません。前作からジョンと言えば「近距離ヘッドショット」です。従来の銃撃戦というと、撃つ方と撃たれる方をカットバックして描写するものですが、ジョン・ウィックはほぼほぼ近距離武器として銃を扱うのですね。頭を容赦なく撃ち抜くわけです。

近距離戦でのガンアクションに加え、打撃、寝技と忙しいアクションはたまりません。特にコモン演じるアシアン戦は、ここ数年のアクション映画では最高の出来ではないでしょうか。刮目せよ、です。

それから、ジョン・ウィックのいいところは、最強とはいえど「敵にそこそこ撃たれちゃう」ところです。シューティングゲームの「FPS」っぽさを意識してるんじゃないか、と勘繰っています。後ろからおもいっきり背中を撃たれたりするから、観客も気が抜けないですし、リアリティがあるんですね。


あろうことか、世界中の殺し屋から狙われる羽目になったジョン・ウィック。劇中、ジョンは常にくたびれた顔をしている。前作から通じますが、彼は闇の世界から足を洗いたかったただそれだけなのです。にもかかわらず、次から次へと押し寄せてくる刺客刺客刺客。ジョンは自身の身に降りかかる理不尽への怒りと、いつまで続ければいいんだという徒労を表情に出して、それでも戦います。
マトリックス」以降、キアヌ・リーヴス史上最高のハマり役の誕生です。