いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】アンフレンデッド


https://m.youtube.com/watch?v=9gz3yC_aVxQ&ebc=ANyPxKpSF7WoShIZoO8vp0Yr8q4dmVOxhorwt52GYo7YDKUv4I4DK3Hyw9AP_gad6ewIyqCSTrqeuza6DyoMnf5eon5b1o2H7g


「アンフレンデッド」とは、フェイスブックなどのSNSでの「友達削除」を意味します。本作は今までにありそうでなかった異色のホラー作品です。

なにが異色か。本作では最初から最後までパソコンの画面一つのみを映し続けるのです。人間は映りはしますが、あくまでもそれはSkypeの動画チャット内でのこと。これも「ブレアウィッチプロジェクト」に代表される「POV」(Point of View)といえるのでしょうか(ちなみにヒロインの名前はブレア)。ちょうどニコ動のゲーム実況に似ているかもしれません。

それは、同級生がネットを悪用してのいじめを苦に自殺して1年がたったまさにその日。ハイスクールの同級生たちのスカイプチャットルームでいつものように雑談をしていたところ、そこに招かれざる客が現れるのです。そのユーザーはいくら削除しようとしてもできない。それどころか、モニタ越しにもかかわらず、ヒロインたちを恐怖のどん底に陥れるのです。

話自体は荒唐無稽ですが、ネット描写の「らしい」ところにはニヤリとさせられます。複数人で深夜にSkypeで愚にもつかない雑談をするなんて、自分の黒歴史を再現されているような気分になりましたが、その他にも、ヒロインのタイピングの「言い淀み」なんか、あるあるですよね。一度書いたものを消して、書き直したりするところは普段自分もやる動作です。

そのほか、動画チャットでの突然の遅延も、よくあることですが、こうしてホラー映画で再現されたら怖い。チャットで相手が返信をよこしてくるまでの微妙な間なんていうのも、実はふだん自分が味わっているものですが、怖かったりする。そういうのを巧みに活かしています。そんな「怖さの再発見」がこの映画にはある。

ただ、もっとも怖かったのは、映画冒頭の配給元が映る場面に施されているある「仕掛け」ですので、絶対に見逃さないように。

正直な話、本作は「ブレアウィッチ」と同じく奇襲戦法にちかいものがあります。一度きりであるがゆえに有効なのであって、これで調子づいた配給元がひどい続編を作る光景が、目に浮かびます。

そうであるがゆえに、第1作で比較的ましな本作だけは、観ておいて損はないでしょう。