いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

【映画評】クリード チャンプを継ぐ男

年末公開でいいぞいいぞと言われていましたが、ようやく見てきましたクリード。TOHEI渋谷、地味に初めてでしたが、TOHO渋谷とはちがうむかーしの縦に長い劇場で。心なしか男性、というかおっさんが多かったです。

いやあアツかった。「ロッキー」シリーズの人気キャラクター、アポロの息子が主人公なのですが、そういう意味では続編的な内容です。

面白いのはクリードのキャラクター造形です。現代っ子ですから、メキシコであてどもない喧嘩ボクシングに興じていたと思っていたら、つぎのシーンではネクタイを締めてMacをカタカタ叩いている。練習メニューもiPhoneiCloudで管理するなど、お手のものです。

そのまま、週末に汗を流してウィークデーはホワイトカラーとして働く。そんな生活で満ち足りていたはずですが……血は争えないのか、彼もやっぱりボクシングの世界に魅せられ、のめり込んでいってしまうのです。

そんな風にキャラクタ造形こそロッキーと少し違いますが、ぼくが驚き、なによりも感動したのは作品に深く刻印されているスピリッツです。「クリード」は、「ロッキー」シリーズで逆境のヒーロー、ロッキーに見せられた人ならだれもがそれを完全に踏襲していると認めるでしょう。

それぐらい、ラストにかけての気持ちのアガって行き方が似ている。立場や地位こそロッキーと違えど、クリードにはちゃんと逆境が用意されている。トレーニングの仕上げから、最後のラスボス戦にかけてのアツさ。ちなみに今回は「生まれ」という要素が強くなってきます。
もう最後の試合が始まってからは、劇場内では男性とみられるすすり泣きがあちらこちらから聞こえてきます。ぼくも泣きはしませんでしたが、熱いものがこみ上げてきました。

年始からいい映画観てしまいました。クリード、血は繋がっていないけれど、映画「ロッキー」の「血の繋がった息子」であるのは間違いありません。