いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

童貞の一番搾りが味わえるマンガ「I"s」(アイズ)を刮目せよ

最近、TSUTAYAのレンタルマンガにハマっておりまして、その中で「I"s」(アイズ)を読み返しています。

I”s完全版 01 (ヤングジャンプコミックス)

I”s完全版 01 (ヤングジャンプコミックス)


桂正和氏によるラブコメで、高校2年生の瀬戸一貴を主人公に、同級生の美少女・葦月伊織、一貴の幼なじみで帰国子女の秋葉いつきとの三角関係がストーリーの中心です。
少年時代、それほど熱心に読んでいた作品ではないので、こうして読み返しますと細部にはいろいろな再発見があります。例えば、今にして思えば一貴の親友・寺谷の献身性など、ほとんど狂気に近いものがあり、語りがいがある。

しかし、何よりもこのマンガ、読み返してみると、ラブコメとしてのキュンキュンした青春の甘酸っぱさよりも何よりも、一貴の圧倒的な「童貞性」に驚かされるわけです。しぼりたての童貞汁を濃縮して真空パックしたような、これぞ童貞という特徴がかいま見られます。

そこで本日は、童貞男子を相手にして困惑している女性に向けて、このマンガを通して、童貞性とはなにかを解説したいと思います。
あくまでもここで解説するのは、極言まで突き詰めた「童貞性」であって、現実に存在する童貞男子とは一線を画します。ただそれでも、何かをつかみとっていただければ幸いです。

1:ポジティブシンキングと逆走(あまのじゃく)のスパイラル

まず一貴に言えるのは、片思いする伊織に対しての圧倒的なポジティブシンキングです。相手の一挙手一投足に過剰な意味を見出し、歓喜する。そのさまは不気味ですらあります。
ただ、ポジティブシンキングが続くならば、そのまま上手くいって話は1巻で終わっていたでしょう。一貴はうまくいく寸前のところで「逆走」を始めてしまう。気持ちとは裏腹に、全く意にそぐわない言動をして本来進む道とは全く逆をいってしまうのです。
一貴の行動原理は、この一見すると相反するふたつに絞られます。そして、まさにこれ、これこそが童貞の行動原理でもあります。ポジティブシンキングと逆走がスパイラル状になっている、名づけて"童貞スパイラル"です。
プラスの行動をマイナスの行動によって相殺する。その根底にあるのは、絶対的な非行動であります。要は、好きだけど言えない。言えないけど好きなのであります。ですから、過剰な妄想だけがどんどん増殖していく。
この営み、本人の中でも混迷を極めていますから、それを外からみる相手の女性からしたらもっと不審ですよね。

2:ヒロインとそれ以外に対しての残酷なまでの差別

週刊少年ジャンプという連載誌の都合上、この作品のエッチな描写はそれほど過激ではありません。ヒロインを始めとする女性の純潔性を決めるのは、B地区、もとい乳首が見えているかどうかです。

そしてその純血性において、この作品では、一貴=童貞が心を動かされるヒロイン(伊織、いつきら)と、心を動かされない他の女子陣を、残酷なまでに区別します。ヒロインらのB地区は、たとえどうなろうと絶対に見えることはない。見えたとしてもそれは、たとえばダミーのきぐるみであったり、妄想の中だったりするのです。
その分、他の女子陣のB地区の無防備さったらありません。いえむしろ、彼女らが一肌脱ぐことによってヒロインらのエロを補填しているのです。
これも童貞性の局地であります。意中の相手の純血は頑なに守り続ける一方、猛り狂う性欲についてはその他の対象で解消します。意中ではないほかの女性に優しくして、いいように思われたい、などといった邪な気持ちはないのです。

3:ヒロインそのものに対しての無理解

また、そんなことまでして思いを馳せるヒロイン・伊織に対しても、実は一貴の考えはある一点においてエアポケットのごとく抜け落ちています。それは、伊織にも片思いの相手がいる、という可能性です。
一貴のそれは、完っっっ全なる杞憂に終わるのですが、実はこれ、ぼく自身が痛いほどの経験をしているのです。行動に移らない童貞男子の想像力は、ヒロイン自身に想い人がいるかもしれないという発想にはほとんど及ばない。もしかしたら、そんなことはあってはならない、あったら俺の自我が崩壊する…!!という無意識の判断から、想像すること自体を自主規制しているかもしれません。
それぐらい、寝耳に水、青天の霹靂、大好きなあの子の片思い、なのであります。



いかがでしたでしょうか。先述したように、あくまでもこれらの特徴は童貞を煎じ詰めたものです。童貞男子のすべてがそうではありませんが、童貞男子の童貞性を極端まで突き詰めるとこうなることを、女性のみなさんは参考にしていただきたいと思います。