いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

大学入試改革の的外れ感がヤヴァい

政府の教育再生実行会議(座長、鎌田薫・早稲田大総長)が、国公立大入試の2次試験から「1点刻みで採点する教科型ペーパー試験」を原則廃止する方向で検討することが分かった。同会議の大学入試改革原案では、1次試験で大学入試センター試験を基にした新テストを創設。結果を点数グループでランク分けして学力水準の目安とする考えだ。2次試験からペーパー試験を廃し、面接など「人物評価」を重視することで、各大学に抜本的な入試改革を強く促す狙いがある

http://headlines.yahoo.co.jp/hl?a=20131011-00000014-mai-life

今日最初に目にしたこのニュースの的外れ感がヤヴァい。

まずこの問題意識がよくわからない。「『知識偏重』と批判される現在の入試を見直」したいらしいが、いったいどこの誰が批判しているのだろう。管見では、例のモジャモジャ頭のクオリアおじさんがTwitterでペーパーテストにキレ、まわりに諌められていた光景をみたことがあるが、それぐらいである。
むしろいまは、高校卒業時点で身につけておくべき学力がないため、1年生のカリキュラムを割いてまで「復習」に乗り出す大学があるのに。それでなくても今の時代、「大学1年生」など「無知」の代名詞だろう。

下村文科相は「学力一辺倒の一発勝負、1点差勝負の試験を変える時だ」とし、新テスト創設の必要性を強調。さらに、大学ごとに実施する2次試験について「大学の判断だが(同会議では)2回もペーパーテストをしないで済むよう考えたい」「暗記・記憶中心の入試を2回も課す必要はない」と述べた。

同上

「暗記・記憶中心の入試」というのも、いったいどこの大学のどの学部の入試を指しているのか。
それに、大学という最高学府に入る関門としてペーパーテストを2回課すことが「も」と強調するほど多いとは決して思わない。センターである程度まで絞り、2次で各大学の裁量において試験する今のシステムは、決して悪くないと思うのである。


人物評価といえば聞こえはいいが、人当たりの良し悪しなんていうのは天性のものみたいなところがある。面接なら知識以外のことも試せるかもしれないが、「面接強者」の中には、その場かぎりの会話での嘘やハッタリ、詭弁や屁理屈がウマい人間もまぎれている。それでもいいのか?
ちなみに、国公立大学の後期日程では、面接試験という学部も少なくない。現にぼくがそれで、面接ウケがよかったためにたまたま引っかかってしまったわけである。「人物評価」を重視していくなら、入学者でのぼくのような人間の比率がさらに高まる可能性もある。オゾマしい話である。
受験者のTwitterをのぞいた方が、よっぽど確実性のある「人物評価」ができるだろう。現実的ではないが、副作用として炎上の抑止効果もある。


教育再生会議という名を持つ会議なら、もっと早急に取り組むべき課題がある。本来なら小学校や中学校で習うはずの基礎学力、はっきりいえば生活に最低限必要な力がないまま、社会に出ようとしている若者についてだ。
こちらの本を読むと、学力低下が貧困と化学変化を起こして、とんでもないところまでいってしまっていることが、よくわかる。

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書)

ドキュメント高校中退―いま、貧困がうまれる場所 (ちくま新書)

それと関連するかわからないがこちらもご一読あれ。ここまでくると半分笑い話になってしまうが。

Twitterに超絶馬鹿が現るwwwwww - VIPPER速報 | 2ちゃんねるまとめブログ

どうも今回の改革の背景には、例の「グローバルがー」という危機意識もあるらしい。政府の方々は、日本と国際社会の格差が広がることを気にしているようだが、日本国内では自分が支払う消費税の額が理解できる層と、理解できない層とで格差が生まれ始めているのである。
まあ、100円の商品に800円払ってくれる人が出てくるなら、税収は上がるだろうけれど……。