いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

僕の「秘密」について

日に日にすごしやすくなり、季節の歯車がまたゆっくりと転がり始めたという感覚を覚えるのですが、みなさんお元気ですか。
エアコン特有の寒さというものがある。コップいっぱいに張った水の表面張力のように、後一滴であふれるあふれるという状態なのだけれどあふれない、でもコップからはみ出てる分あふれてないとも言い難い。そういうような寒さと判別しがたい常温みたいなところを、エアコンに狙われることがある(こっちが勝手に狙われてるとおもっているだけだけど)。うちのエアコンの1℃単位の温度調整では僕の皮膚感覚にマッチしないようで、28℃では暑くてつけてる意味がなく、かといって27℃だとその寒さへの表面張力的な常温なので、あまり気分はよくない。体調が悪いような感覚がする。



さて、24時間テレビにはほとんど興味がないのだけれど、ああいう長時間番組の深夜枠というのは、なんだかんだいって視てしまう。それは深夜であり生放送であるということで漂う独特の熱気というか、針が振り切れて出演者がハイになっているという所にこちらが感染してしまうということなのかはわからないのだけれど。今年も「しゃべくり007」なんて普段はろくに視たこともないのにがっつり、朝方まで視てしまった。


そこでは、レギュラー放送でもお馴染みの、あの「ギリギリ007」を生でやっていた。「ゲストにギリギリ答えてもらえそうな質問をし、ゲストはその質問に答えるか、NGかを決め、その後OKした質問にすべて答えていくコーナー」(ウィキペディア引用)だ。
くじ引き(これも人選的にはどう考えても「形式」としてのくじ引きだったと思うが…)で、一人目が新婚ほやほやの品川庄司庄司智春、その次には普段はギリギリの質問をゲストにぶっ込むが側のくり〜むしちゅ〜有田が選ばれた。


ちなみに最初の庄司が突きつけられた5つの質問は、「奥さん(ミキティ)以外で結ばれた芸能人は?」「先月の月収」「嫌いな芸能人」「相方との仲」「奥さんとは最近いつ愛し合った?」だった(大意)。それら答えなくてもいい質問に答えてくれた庄司の「男気」はなかなかおもろかっこよかったとおもうのだけれど、問題は次の有田の段である。
画面上で芸人たちが、有田に対しての質問をみなで考えている最中に、僕はあることに気がついた。


というのも、考えてみればわかるけれど僕らが他人に知りたい聞いてみたいと思う「秘密」なぞ、大したバリエーションないのである。


実際に有田に提出された質問も、「先月の月収」「今年消えそうな芸人は?」「今までに結ばれた芸能人は?」「今狙っている芸能人は?」「からみずらい芸能人は?」と、庄司とは結婚してるか否かで状況が変わるため質問も2、3異なるが、これ以外に両者から聞いてみたい秘密など他に思いつかないという僕の心境と、そう違う人もいないのではないだろうか。だいたい他人に我々が聞いてみたいのは、色恋かカネの話なのだ。そしてそれら「秘密」の重要度は、告白した当人の重要度と正比例しているという事実。


ただこれは、その僕らが他者から聞きたがっている秘密以外に「秘密はない」ということではない。体験人数やら収入やら嫌いな人やら、それらは人気のある秘密、人を惹きつける秘密にすぎないのだ。人によっては、そんなことよりももっと隠したい秘密をわんさか持っている、という場合もあるだろう。帰宅後すぐ履いていた靴のニオイを嗅ぐというやめたくてもやめれない衝動であったり、子どもの頃に親のセックスを視てしまった、その体位はどうだったかなど、その人以外秘密としては端っから思い浮かばないものだって、立派な秘密なのだ。そういうのは、人の聞きたい「ツボ」からは遠く離れているのだけれど、本人にとっては結構クリティカルな問題だったりする。


その点、秘密の「命名権」は曖昧だ。何が秘密だとするのは、もちろん当人の領分のように見えるし実際にそうなのだろうけれど、その当の秘密にまで他人がたどり着けなければ、そんな秘密最初からなかったようなものではないか。


そういう人気のない、誰にも尋ねられそうにない類の秘密というのを抱える人間というのは、ある意味孤独だと僕は思う。自分だけでそれを抱えて悶々としているのは辛いけれど、かといってそれを誰かに告白することもできない(だから秘密なのだ)。もちろんそれを秘密にしたまま人と交わることはできるけれど、共有できないその暗がりを抱えたままでは、真の意味では決して打ち解けることはできないのだ。


例えば、ある親友に「実はキミのこと昔っから大嫌い」という秘密を打ち明けないままで過ごしている、という人もいるだろう。そういう人は、いったい全体どうやってその親友と打ち解けようというのだ。