いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

男性不信


男性不信 (本人本04)

男性不信 (本人本04)


大塚美容形成外科のCMに、「私の胸がもう少し大きかったら・・・、私の目がもう 少し大きかったら・・・私の鼻がもう少し高かったら・・・世界が少し、変わるかもしれない。」という物議を醸した名台詞があるが、これはある意味で真理をとらえているのかもしれない。
例えば、大学時代の就職活動を見てみろ。明らかに可愛い学生から先に内定をもらっていく(売れていく?)ではないか。面接官も、そりゃ体面上は平等を装うけど、内心では毎日机を並べて働く部下の社員がうら若き美女であって欲しいと願うのが男の性。就職試験の内実なんて、限りなく黒に近いグレーである。
さらには大企業面接なんかにいくと、それはそれは美人な社員が対応してくれる。そのほかにも美人じゃない女性社員もいるはずだ、といわれるかも知れないが、そうだとしても就活生という外部の人間に見せる「よそ行きの格好」として、彼女ら美人社員が選ばれたというのは事実であり、美しい女性ほど社会の檜舞台で活躍できるというのもまた事実なのである。
いくら男女平等が叫ばれたとて、所詮この世は男が女を選ぶ男性中心社会。だからこそ、もしブスでなければ「(男に扱われる女性の)世界が少し、変わるかもしれない」のである。


これは、今でいうところの「ブスカワ」なんていう「譲歩」すらない、「美人 or die」、美人でなければも問答無用でモテないという過酷な青春時代を過ごした作者の半自伝的小説。あまりの悲壮感と男性嫌悪は、彼女独特のユーモアというオブラートに包まれているが故にそこまでおどろおどろしくはなっていない。しかし、「全ての男性が強姦予備軍」として、男性性とその外見を激しく嫌悪するが、その反面自分が男性から女性として見てもらえない場面では一途に悲しみを覚えるところは複雑な乙女心というべきか。フロイトは満たされない性欲を芸術活動で発散する「昇華」の概念を考え出したが、この主人公はまさにそれを実践。ウェブ上で連載した妄想日記が人気を博し、男にも仕事にも恵まれていく・・・。


ライターの杉浦由美子は美女ほど妄想癖があるなんて思っているらしいが、真っ赤なウソだろ。
美しいのであれば、現実から逃避しなくてもいいではないか。現実に期待が持てないブスな女性こそが妄想をする。

ただ僕の意見だと、なめ子さんみたいな人って結構モテると思うんだけどなぁ・・・。