いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座。今考えてることと、好きなこと、嫌いなことについて

「どうなる日本野球!?」という問い自体が愚問ではないか


昨晩のすぽるとでも特集を組んでいて、今日のネットのニュースでも広岡さんが次回のWBC星野監督で行くことに憂えていたけど、今更なたらの五輪野球問題(?)。
「金しかいらない」といって、本当に何のメダルも獲らずに帰国しちゃった。


日本野球はこのまま衰退していってしまうのだろうか?
と、その問いを立てておきながら、自分でそれをぶっ壊すというのも何だけど、この「どうなる日本プロ野球!?」という問い自体が愚問ではないだろうか。件の国際大会にて敗れたことで、日本野球の地位自体を憂えているマスメディアにはいるが、その人たちは日本人にとっての「二種類の野球」を混同している。

元来プロ野球とはきわめてドメスティックなスポーツだった。王、長嶋のV9にはじまり、戦後復興は野球人気とともに歩んだというのは、いろんな歴史の書が伝える所だ。それまでのプロ野球ファンの一番の関心事とは、「この国でもっとも強いチームとは?」だった。決して、「日本野球の国際的地位」ではなかった。いや、当時のファンは、そういうことを考えも付かなかったのではないか。

そんな戦後のプロ野球において、本格的に「その外」が意識され始めたのは、ごく最近、野茂英雄が大リーグに挑戦した時からではなかったか(僕は野茂が渡米した年にNHKBSで大リーグ中継が始まったことを鮮明に覚えている)。国際大会としてWBCが始まったのもごく最近である。それまで日本だけでなく、アメリカのベースボールファンだって一番の関心事は「ワールドシリーズを制するチームは?」だったはず。「日本と比べて」とか、「韓国と比べて」という考え方自体が成り立たなかったんではないだろうか(特にアメリカという国においては)。

その点、サッカーは国際化が野球よりも進んでいる。Jリーグが開幕した当初から「対世界」という認識が、選手もファンもあったのではないか。それだけに、サッカーの日本代表の場合、ファンの盛り上がり方も自然に見える。国際大会の楽しみ方を知っている。

それに対して、野球の国際大会とはどうだろう。普段のプロ野球ファンの盛り上がり方、なにかぎこちなくないないだろうか。というよりか、僕自身、国際大会で日本代表を見るときの気持ちがぎこちなくなってしまうのだ。

楽しみ方というのにも型があって、日本の野球の楽しみ方というのは、同国人の隣のジャイアンツファンと、隣の阪神ファンに対立して観戦することに醍醐味があったのである。それが先に挙げた二種類の野球の内の一つ。
もう一つは国際大会におけるそれ。いつもは敵対している者同士が、同じチームを応援し、遙か海の向こうに敵対するも宇1種類の野球。二つは実は楽しみ方は似ているようで全然違う。それだけに、まだまだ馴れない「対世界」の野球では、一昨年のWBCのように勝ったら勝ったでうれしいが、五輪で負けてもさほど感情が湧いてこないのではないだろうか。

さきの「どうする日本プロ野球!?」という問いに戻ると答えは簡単、「どうにもなんないよ」である。
国際大会で惨敗したからって、マスメディアが騒ぐほどファンは落胆していない。なぜなら、もともとプロ野球ってそういう楽しみ方ではなかったのだから。日本野球代表が弱かろうと、気にならなければ気にしなくていいのである。
「それは開き直りだろう!」と言われるかもしれないけれど、プロ野球はそもそもベースボールとは違ったスポーツと考えることだってできる。例えば松坂が渡米する際に始めて知ったのだけれど、向こうと日本では球のサイズが若干違うらしい。「えっ!」と思ったのだが、それってかなり大きな問題ではないだろうか。

戦後の子どもの人気者として「巨人・大鵬・卵焼き」という表現がある。考えによっては、国技である大相撲とプロ野球はその当時において肩を並べていたともいえる。プロ野球は「国技」と同格なのである。
大相撲と同じく、プロ野球は日本だけが行う国技なのであって、日本の外に争う相手など最初から、いない。