いいんちょさんのありゃあブログ

85年生まれ、おうし座、直毛によるブログ。今ここに、ポスト宮根誠司を目指すことを誓います。

“史上最強”ジェニファー・ロペスが股間も心も直撃! 映画『ハスラーズ』がマブすぎる

ポスター/スチール写真 アクリルフォトスタンド入り A4 パターン 1 ハスラーズ 光沢プリント

 

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ジェニファー・ロペス史上最強のジェニファー・ロペス

ジェニファー・ロペスといえば、90年代後半から2000年代まで「エロくて強え女」の人類代表みたいなところがあるのだが、個人的にはここ十数年ほど鳴りを潜めていた印象は否定できない。

本作『ハスラーズ』は、そんな彼女の「ひさびさのジェニファー・ロペスっぽいジェニファー・ロペス」が拝めると思っていたが、鑑賞してみたところそれどころの騒ぎではなかった。ここに来て史上最強のジェニファー・ロペス、「ジェニファー・ロペスによるジェニファー・ロペスのK点超え」が垣間見られる一作である。

 

↓インスタグラムでは今もバリバリ現役なジェニファー・ロペスくん(←古臭いグラビア風キャプション)

 
 
 
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舞台はニューヨーク、欲望がむき出しになる場所、ストリップ・クラブ。女性ストリッパーたちが主役だ。『クレイジー・リッチ』のコンスタンス・ウーと共にダブル主演を務めるジェニファーの役どころは、クラブのダンサーでリーダー的な位置に立つラモーナだ。

観客の股間と心にファーストインパクトをぶちかますのは、眩すぎるジェニファー・ロペス50歳バージョンである。屋上でほぼ全裸に毛皮というマブすぎる姿でタバコを吹かせたかと思えば、キレキレのTバックで華麗にポールダンスを踊る。

肉体のお手入れやお直しといったものに筆者は詳しくないが、それらが施されていたとしても、まあ御年50には到底みえないパワフルな肉体は見事であるし、カリスマ性にあふれる振る舞いは、多くの観客の心を鷲掴みするだろう。

映画館で見るべき一作であることに間違いないが、さらに付け加えると、この映画に関してはできるだけ前方の座席で鑑賞するのがオススメ。スクリーンを見上げる座席に座れば、ジェニファー演じるラモーナ様の艶めかしいダンスを、まるでステージ下から見上げる観客の目線を追体験できるだろう。客の投げ入れた札束の中で恍惚とした表情もなんともセクシーだ。

 『バーレスク』から『ギャングース』へ

前半はまるでクリスティーナ・アギレラのド派手な歌唱が名物の『バーレスク』のような女性ダンサーの成り上がり譚が描かれるが、中盤に差し掛かるところでムードが一転。本作、前半のお気楽イケイケのムードから、中盤のシリアス展開、クライマックスの泣ける展開まで、絶妙な配合なのもミソである。

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2008年に世界を襲った金融危機は、当然ストリップ業界にも暗い影を落とす。一度は低賃金の昼の仕事に転職してやりくりしていたデスティニーやラモーナだったが、結局は上手くいかず。覚悟を持ってストリッパーに復帰するが、ストリップ業界も閑古鳥だった。

そこで、彼女たちは取り返しのつかない、ヤバい方法に手を染めていく。不況で私達はこんなに苦労しているのに、なんでウォール街の男たちはあんなに涼しい顔しているんだ。あいつらがちょっとぐらい酷い目にあっても困らないはず…。格差が拡大していく社会の中で、ビンボー人たちが富裕層を狙った犯罪に手を染めていってしまう、という構図では、最近紹介した『ギャングース』に構図は似ている。

 

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『パラサイト』と共鳴する瞬間

興味深いのは、デスティニーがインタビュアーに明かす夢の話だ。夢の中で彼女は気がつくと車の後部座席にいるが、走行中なのに車の運転席には誰も乗っていない。慌てて、自分で乗り出してハンドルを握ろうとするが、車を上手く操れないという。

貧困者の人生が「アンコントロール」であることを暗示するこの夢は、奇しくも、先月から公開され、ヒット中の映画『パラサイト 半地下の家族』とも共鳴する。

【映画パンフレット】パラサイト 半地下の家族 PARASITE

ソン・ガンホ演じる貧困一家の父親は「息子よ、何か“計画”があるのか」と尋ねるが、肝心のときになって全く逆のことを言う。「一番失敗しない計画は何か。それは計画しないことだ」。人生設計など最初からやっても無駄だ、という貧困者の諦念を描いたシーンだ。「貧困とはなにか」という点について、『ハスラーズ』と『パラサイト』は同意が取れている。それは、「貧困とは、自分の人生が自分でコントロールできない事態」ということである。

「私たち、最強だったよね」

カクカクシカジカがあった後、やはり計画は頓挫し、主人公たちは挫折と痛手を負う。心身ともにボロボロになったあと、ジェニファーがウーを抱擁しながら、こう確認する――私たち、最強だったよね。お前ら「EGG」ガールかよとスクリーンの向こうにツッコみたくなりながらも、目頭が熱くなってくるのはなぜか。

 

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そこには、明確な悪事ではあるが、男性社会に一泡吹かせてやった彼女たちにどこか痛快な気分で共感してしまうところがあるからだろう。

何もかもが失われたあとでも、友情だけは残る。それは誰にも奪えなかった。それだけに、それだからこそ、もし2人が生まれや境遇に恵まれていたら、そして、もっと早く出会っていたら、結末は変わっていたのに。そう思わざるを得ないやるせなさとともに、映画は幕を閉じる。

 

ジェニファー・ロペスにメロメロにされ、ジェニファー・ロペスに泣かされる。彼女が多面的な魅力を放つ快作だ。